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JIROの独断的日記
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2002年10月28日(月) 「感覚は欺かない。判断が欺くのだ。」(ゲーテ)

物事の本質を見極め、簡潔に表現する事は至難の業であり、非凡な才能の持ち主にして初めて可能な事だろう。

 若い頃、何げない気持ちで薄い新潮文庫を買った。ゲーテ格言集である。そこで感じたのが上のようなことである。

「感覚は欺かない。判断が欺くのだ。」という言葉に接したときは、ガーンと棍棒で頭をぶん殴られたような衝撃を受けた。

 何という、洞察。何という、表現力。

 「人間の直感は普通に考えられているよりも鋭く真実を見抜く。しかし、人間は、それを世間体とか、損得勘定といった世俗的な事柄を考慮し、異なった結論を出してしまう。それは間違っている事が多い。」というような意味であろう(凡人の私が書こうとすると、こんなに長くなってしまう・・・)。

 それを洞察する事自体、並みの人間には難しい。そしてその真理を、これ以上、短くできない、簡潔な言葉で著したゲーテは、やはり天才なのであろう。もはや、この一文だけで、一個の芸術作品と言っても過言ではない。

 他にも、この薄い文庫本には珠玉のような言葉が詰まっている。世の中が今のように動揺しているときには、数百年の時の試練を経て、なお生きつづける芸術、永遠なるもの、に触れたくなる。


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