スカーレットの心のつぶやき
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昨夜、「告知せず」というTV番組を見た。
フィクションということになっているが
これは実際に起きる問題でもある。
普段医者としてがん患者に病名や余命を告知する医者が
自分の妻には告知できなかった、否しなかった。
がん告知については私にも考えることがある。
それは、一昨年亡くなった父のことだ。
父は膀胱ガンだった。
私が医者からその病名を聞いた時
父に告げるべきだと思った。
しかし、姉や義兄の反対で告知しなかった。
父は亡くなる数日前に
自分の病状が一向に回復しないことや
段々としんどくなっていることに対して
苛立ちを覚えていた。
そして、文字にもならない文字で
私が差し出すノートに思いのたけを書いた。
どうして治らないのだ?
このことへの疑問を綴った。
父は医者を信じていたはずだ。
決して治らないことに対して医者を責めることはしなかった。
一生懸命にしてくれる医者に感謝の言葉を書いていた。
でも、やはり父の心の中は不信感でいっぱいではなかっただろうか。
父は病気に疎く、医学的知識もなかった。
だから、普通ならがんであると気付いてもおかしくない症状も
私が説明するくだらない弁明を信じていた。
私は父に嘘をつくことが父のためだと信じようとした。
結果的にはそれでよかったのだろう。
父の性格から、もし告知していたら
自暴自棄になっていたかもしれない。
しかし、父も男だ。
責任感もある人だ。
もし、自分の病名や余命を知っていたら
家族に言い残す言葉を言っていただろう。
自分が何故こんな状態になるのかという不安と不信で
亡くなっていったことは父へ申し訳ないと心から思う。
人の人生を家族だからと言って操る権利はない。
生きることも死ぬことも本人の問題なのだから。
仏壇の父の位牌や写真を見るたびに
私は父への謝罪をしている。
私がガンになったときは
夫や娘だけが知っていて自分が知らないなんて
絶対に嫌だ。
私は告知してもらいたい。
自分の人生の最期くらい自分できちんとしたいから。
スカーレット
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