スカーレットの心のつぶやき
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父の最期の時、
私は父に頼まれて二階で医者に電話をしていた。
下から私を呼ぶ母の大きな声に驚き
急いで電話を切り下りてきた時には
もう父は逝っていた。
父は吐いたものを詰まらせた。
父が亡くなって一ヶ月経つ今でも
私の心の中には
「何故あのとき上で電話なんかしていたのだろう」
「何故父の側に居なかったのだろう」
という思いと後悔が渦巻いている。
私が側に居たとしても
父に何をしてあげることも出来ず
結果は同じだったに違いない。
でも、側に居なかったことが
それまで私が懸命に看病したことを
全て帳消しにしてしまうような気がするのだ。
この気持ちはきっと私が死ぬまで持ち続けることだろう。
そんな気持ちで居た昨日、
父の訪問看護サービスをしてくれた人が
父にお線香を上げに来てくれた。
その人に今の私の気持ちを話した。
その人は私の気持ちをよく理解してくれた上で
こんな話をしてくれた。
私の性格上、
もし私が父の側に居て父の最期を見届けることになっていたら
きっと今よりも後悔をしているであろう。
あのときに自分が側に居ながら父を死なせてしまったと
今よりももっともっと苦しい思いをするだろう。
そういう風に話をしてくれて
私は初めて気がついた。
本当にその通りだ。
私が二階に居て父の最期をみとることが出来なかったのは
父の最後の私への思いやりだったのだ。
父が私が苦しまないようにと気遣ってくれたのだ。
そんな父の気持ちを思うと涙が出た。
本当に心のそこからやさしかった父。
もう悩むのはやめよう。
父の死が私の人生のトラウマになることは
父へ心配をかけてしまうことだ。
あれでよかったのだと思おう。
心の持ち方一つで人は楽になれる。
父の四十九日まで父の魂は彷徨っている。
父に安心してあの世に行ってもらうためにも
私が心も元気で居なければいけない。
スカーレット
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