スカーレットの心のつぶやき
つぶやき 目次|過去|未来
今朝の新聞に先日投稿していた
「雲に乗りたい」が載った。
読み返しながら
またあの辛かった20代のことが甦ってきた。
今は遠い過去のことになってしまったけれど、
あれは確かに現実だったし、
私の人生の中で最も辛い時期だったように思う。
過ぎ去ってみれば
どんな苦しく辛いことも大したことではないような気がする。
それは、多分今の私がとても幸せだからであろう。
こんな小さくても幸せだと思える自分自身がとても不思議でたまらない。
あの頃の私が今の私のような気持になれたら
どんなに辛く悲しいことでも
自暴自棄にならず、
負けないで生きていけたのだろう。
やはり年を重ねるということは
意味のあることなのだと思う。
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「雲に乗りたい」
父が入院している病院からの帰り道、
車に乗ろうとふと見上げた真っ青な空に、
綿雲が一つぽっかりと浮かんでいた。
そして、思わず青春時代に聞いた
黛ジュンの歌「雲に乗りたい」を口ずさんでいた。
私は小さいころから空を見上げるのが大好きだった。
学校の帰り道、
空に浮かんでいる真っ白な雲を見ては
「あの雲に乗って、どこか遠くへ行ってみたいな」と思ったものだ。
「雲のじゅうたんは、きっとふかふかしていて
気持ちが良いだろうな。
あの上を歩いたら足が抜けて地上に落ちるのかな・・」などと、
雲に乗って遠くの国へ行っている自分に心をはせていた。
私の「雲に乗りたい」という気持ちは
大人になってからも
子どもの時と同じだった。
私の友人達が皆、
青春を謳歌していた二十代、
私は入退院の繰り返しの日々を過ごしていた。
外出禁止の病室の窓から眺める雲に
遠く離れた家への思慕を募らせたものだ。
「早く元気になって家に帰りたい、
あの雲に乗ったら帰れるだろうか・・」。
誰にも面会出来ず一人で病気と闘っていた私の心を、
真っ白い雲が癒してくれた。
あれから三十年がたった今、
父の看護をする、
私の疲れた心を和ませてくれるのも
やはり白い雲だ。
スカーレット
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