2006年12月02日(土)
その日のことをその日のうちに、まして遅く帰った夜に書くのは、 やはりぼくにはまだ無理、というか誰にだって難しいだろ、なので、 何度か反芻してみた昨日のことを書いてみる。
さて昨日、熱海沖に浮かぶ初島に猫撮りに行ったわけだが、 出るわ出るわわらわらと、な感じで寄ってくる子のなかに、 漁に使われたのであろう赤い網の切れ端をまとわりつかせた子猫がいた。
どれだけの時間をこんな姿で過ごしたのかは知る由もないが、 首と前足がからまって抜く抜けない状態。 特に深刻なのは首で、早晩肉に食い込むことは歴然、 今だって物を飲み下したりする際には苦しいのではないかと思われた。
ナイフなど持ち歩いてはいないため苦労はしたが、 幸い人に触れられることを嫌がらない子だったので、 絡まった網は除いてやることができたのだった。
身軽になって走り去るその子を見ながらぼくは思った。 やがてぼくが地獄に落ちたとき、って落ちるのか、 まぁ落ちたとして、そのとき天から降りてくるのは、 破れた網なのだろうか、それとも猫の尻尾なのか。 大丈夫なのか、つかまっても。
ところでぼくは、前述のようにナイフを持って歩いたりしない。 というか、そもそもナイフを持っていない。 そのかわりキャットフードを持ち歩いていたりする。 ついでにいうと、5年ほど前からは火も持たない。 かわりにマタタビを持っている。
ナイフを持ち歩く人は少数派とはいえ、 キャットフードを持ち歩く人より明らかに多いだろう。 そして、火を持ち歩く人はマタタビを持つ人の比ではないだろう。 「だろう」じゃなくて、もう絶対に。
持ち物検査をされたくないとぼくが思う所以である。
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