2004年03月15日(月)

■ 平家物語なら「端武者には目なかけそ」。

鎌倉は金沢街道から外れ、町名でいえば雪ノ下から浄明寺へ、
釈迦堂をめざしていたぼくを、2台の人力車が追い抜いていった。

バスかレンタサイクルを利用するのが妥当なこの道のりを、
てくてく歩いていたぼくも驚かれたかもしれないが、
後半だらだらと上りが続くその同じ道を、
小走りに駆けていく人力車にぼかぁもっと驚いた。
前の1台などふたり乗りだし。うぇえええ。

鎌倉の人力車ってのはアナタ、せいぜい駅周辺から鶴八までの間を、
移動自体が目的ではなく、話の種にまぁ乗ってもみようかというものだと、
これまでぼくはずっと思ってた。
へぇえええ。釈迦堂まで行ってくれと言えば、ホントに行くんだ。

目的地に着くと、人力車に乗ってきた女性3人が
車引きのお兄さんから、鎌倉の切り通しについて、
釈迦堂についてのレクチャーを受けていた。
体力だけの勝負ではないのだ。

同様の光景を、帰りに立ち寄った荏柄天神でも見かけた。
小耳に挟んだのは菅原道真についてのくだり。
「東風吹かば」、その歌をお兄さんはこう締めた。
「主なしとて春を忘るな」。

待て、待て。ちがうだろ、それは。
すでに現代語訳なのか。
聞かされてる方も納得してんじゃないよ。
係り結びを忘れてはいかん。

おっと、そうじゃなかった。
係り結びな忘れそ。
体力だけの勝負じゃないんだから。


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