短いのはお好き? 
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2006年02月26日(日) ライアー




奈美の日記は、7月26日からはじまっていた。
あれから何年経ったのだろうか。
もう俺には記憶がなかった。
というか、実際はもう半分死んでいるのかもしれない。
自分でもよくわからない。
とりあえずは、身体はあるようなのだけれども
自分の思うようには動いてくれなかった。
一番困ったのは、メールが打てなくなったことだった。
指同士がくっついていて、キーを打つことが困難だった。
とにかくなにをするにも緩慢な動きしかできずに
ナマケモノみたいだなと思った。
脚の方ももうだめみたいだった。
殊に膝がいつも悲鳴をあげていた。
で、仕方ないから奈美の日記を毎日旧いものから
読み返すのが、日課になった。
膨大な量があったが、日がな一日、ユウは日記を
読みつづけた。


あれからきみは、どうしているのかな。
きみは、ぼくに幾つのうそをついてきただろう。
数え切れないほどのウソ。
あげくの果てにゴミみたいに捨てたよね。
きみはひとりなんかじゃないよ。
とか、元気出してとか…。
ほんとうに死にたい日々のなかで
きみの慈愛溢れる優しい言葉は、ぼくのズタズタに傷ついたハートを
癒してくれた。
どんなにうれしかったことか。
きみにはわからないだろうね。
ページ上に、私信を書いてくれたときには
死ぬほどうれしかった。
死ぬほど幸せだった。


ある日、こんな一節を見つけて、ぼくはすすり泣いた。
真っ暗な部屋の中で独り、嗚咽がとまらなかった。





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