活字中毒のワタシの日記

2016年09月26日(月) 辰巳渚『片づけなくてもいい技術』★★★☆☆


辰巳渚『「片づけなくてもいい!」技術]

「片づけ」(使ったら戻す)は生きている限り続くことだという前提で、「片づけなくても快適に暮らせる」ことを指南した本ではなく、「片づけが負担にならないで続けられるような仕組みを作ろう」その方法を指南した本。

なんだ、ライフオーガナイズじゃん。
と思いつつ読み進めました。

「時間がたっても同じままの家は、誰も住む人がいない、からっぽの家だけだ。作り物の、演出された家だけなのだ。」(p14)

生きているから、動物だから、うごく。

「一時的に完璧に整えた家の完全性よりも、つねに循環しながら、つねに入れ替わりながら、同じ『私の暮らし』として保たれているバランスの方が、私にはすばらしく豊かに見える。
 暮らしが『すっきりと片づいているなあ』『うまく整っていて気持ちがいいなあ』と感じられるのは、この循環がうまくいっているときなのではないだろうか。」(p20-21)

呼吸と同じ。
いかに、循環をよいものにするかが大事。

「自分の手でうまくまわしている感じ、使うモノが使われ、いらないモノが出ていき、あると幸せなモノが買われながら、どこにも淀みができずにさらさらとまわっている感じが、『すっきりして気持ちがいい』『これは他の誰でもない、私の暮らし』という充実感につながるのだ。」(p21)

自分で自分の環境をコントロールできている、という快感。
できてない時期が長かったので、できるようになっていく過程も含め、心が満たされるようになりました。

「『片づけなければ』から逃れ、『自然に片づけている』状態を作ろう、というのが『片付けなくてもいい技術』である。」(p40)

ライフオーガナイズってそういうこと。
その仕組みを作ろう、ってこと。
憂鬱なことではなく、自然に、無意識に、(それほど)苦もなくできるように、仕組み化する。

「片づけや掃除がもともと苦手、という本質は変えようがないが、それでも、『さあ、片づけなくちゃ』と思わなくても、だいたいうまくモノはまわっているといえる。人が来るとなったら、片づけに10分、掃除に30分でなんとかなる。楽である。」(p41)

わたしも以前はそうでした。
いまも上手でも得意でもないけれど、嫌いではないし、掃除にいたってはむしろ好きに。
意味を見いだすことができるようになったからだと思います。

「分けるときには、誰かの分け方ではしっくりこない。自分が世界に向けるまなざしが、そのまま世界の分け方となる。」(p93)

片づけの極意は、「分けること」。
ということは、自分や家族にとって分けやすいことが大事。

「自分が世界に向けるまなざし」っていい言葉ですね。
わたし自身、まなざしが少しずつ変化していっているのを感じます。

これからも、できるだけ、やさしさやあたたかさを含んだまなざしを身につけていきたい。

「人が、世界のなかに自分なりの秩序を見出して分類し、それぞれに名前をつけて、それぞれに属するモノを分け終わるとき、きっと世界を手にするような満足が得られるのではないだろうか。」(p93)

秩序を作る。
仕組みを作るというのは、自分なりの秩序ののっとって統治することですね。
自分ワンダーランドを作ると思えば、なんだか楽しくできそう。

以前二世帯住宅で嫁のサポート依頼を「片づけなんか人に頼むもんか?自分でできないのか」とおっしゃってたおじいさま。
「ただの片づけ」じゃなくて「子世帯ワンダーランド」をクリエイトしてたんです(^_^)。と言えたらよかったな、と今更思いました。

「けれど、自分自身と向き合うことだけは、怠けてはいけないのだ。いや、怠けたってかまわないけれど、自分を見つめるつもりがない人には幸せはこない。『これでいいんだ』『私はうまくやっているんだ』と納得し、安心できる日々の暮らしは、訪れない。」(p172)

わたしは、こうだ。
わたしはこれを選び、これを選ばない。
わたしはこれでいい。
いまはこれでいい。

結局は、そう思えるかどうか。
そう思いたいかどうか。
そのために、行動を起こすかどうか。

「『できない自分』を受け入れ、そういうことはなるべくしないようにし、どうにかこうにかつづけていける方法を暮らしに組み込んでいく。他の人はどうであっても、私にとっては楽しい、気持ちいい、これでいいと思うことを増やし、つらいな、だめだなと思うことはなるべく排除していく。
そういう積み重ねから、はじめて『すっきりと片づいた暮らし』が見えてくる。
そうだ。片づけは人生と同じ。」(p173)

自分の弱さを認めることは、自分を強くする。
自分を幸せにすることができるのは、結局自分だけ。
片づけって、深いなー!

「『片づいて嬉しい』ではなく『楽になった』。
これが、家事セラピーの目指すところなのだ。」(p184-185)

ライフオーガナイズが目指すのも、「正しい方法」ではなく「最適な方法」。
最適な方法は、そこに住まう人が「もっと楽に、もっと楽しく」暮らせる方法。
思いがけず共通点がたくさん見つかり、「よりよく暮らす」「よりよく生きる」ことはそれほど奇異なものではなく、暮らしの芯なんだろうなと感じました。

辰巳渚『「片づけなくてもいい!」技術]



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