| 2011年10月26日(水) |
伊藤 一輔『よく笑う人はなぜ健康なのか』★★★☆☆ |
 『よく笑う人はなぜ健康なのか』
内容(「BOOK」データベースより) 「笑う門には福来る」って本当?吉本興業のお笑いを見たらガン細胞を攻撃するNK細胞が動き出した。落語を聞いたら関節リウマチの炎症が和らいだ―。笑いの健康効果に着目するドクターが、数々の実験、臨床例を紹介しながら人の心と身体の謎に迫る。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 伊藤 一輔 国立病院機構函館病院副院長。1947年北海道生まれ。71年弘前大学医学部卒業。専門は循環器内科・循環器心身医学。北海道大学循環器内科、東京女子医大付属日本心臓血圧研究所、国立病院機構西札幌病院を経て、2005年より現職。日本笑い学会理事と同学会の北海道支部長を務め、笑いと健康に関する講演を各地で行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
メモ。
平均寿命と健康寿命。 「日本は世界一長命な国ですが、寝たきり期間は、男性において約六・三年、女性においては約七・九年(二〇〇三年)と、実は世界一寝たきり期間が長い国でもあります。」(p16)
「生きがい療法とは、不安や恐怖などの感情をそのままにしておき、自分の意志でできる行動をとることで、不安や恐怖などの感情を薄れさせるやり方です。感情は自分の意志ではなかなか変えられません。変えられるのは行動であり、行動に引っぱられて感情も変わるのです。」(p107) その一つとしての伊丹仁朗医師による、ユーモアスピーチ。
「笑いはジョギングと同じ」(p116)
「記憶は脳の一部分ではなく、海馬が司る陳述記憶と、扁桃体に関わる情動記憶の二つの部分で行われているのです。そして、泣くことはその両方と関係し、笑いよりもさらに複雑な構造を持つそうです。」(p144)
「もともとは『笑い』も『泣き』も同じところから発生し、右脳と左脳に分かれた可能性があります。笑いは左脳側の大脳基底核と視床が関係しています。それに対して泣きは右脳側です。人間が生存のための進化の過程で泣きと笑いを手に入れた時、同一のところから分かれたため、両者の働きも似かよっている可能性が高いのです。」(p144)
「ドイツにはユーモアのことを『にもかかわらずの笑い』と表現する有名な定義があります。」(p194)
「ユーモアは、絶望的な閉塞状況を打ち破り、自己と状況との間に距離を置くのに役立ちます。生きるか死ぬかの窮地に追い詰められた者にとって、ユーモアは最後の拠り所だったのでしょう。」(p195)
「笑い療法の父であるカズンズは、人間が生きていくために大切な三点を挙げています。 それは『笑うこと』『希望を持つこと』『人のためになること』です。『にもかかわらずの笑い』は、例えば病気なのにもかかわらず笑うこと、生活に困っていても笑うこと、死が迫っていても笑うこと、絶望的状況であっても笑うことです。こうした状況にこそ、本当の笑いの力があると思います。」(p196)
「『センテナリアンの生き残り戦略には予想外のものもいくつかあったが、もっとも効果的な自衛手段の一つは精神的重荷をユーモアで軽減することであった。」(p199)※これは『100万人100歳の長生き上手』
笑おう!笑い行動を選択しよう、と思えた一冊でした。
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