| 2010年04月20日(火) |
中野博 /蓬台浩明『サービスは「かけ算」!』★★★★☆ |
 『サービスは「かけ算」!』 中野博 /蓬台浩明 東洋経済新報社
心に残ったところ。
「つまり『どうなりたいのか?』が問われるのです。旅に出る以上、何はともあれ、行き先が重要なのです。」(p10)
「私たちが目指していることはただ一つ。お客様に幸せになっていただくこと。つまり楽しく笑いのあふれるライフステージを提供すること。」(p19)
そのために、ディズニーランドに学ぼうと。 実際に足を運び学び続けているそうです。
私自身、期待してなかったディズニーランドで感動&がっかり体験のどちらもしてきているので、期待を越える感動を与える大切さ(→ファンになってもらう)は実感しています。
社長さんが入社3年目で行った改革。
「どんなに腕がいいベテランの方であっても、お客様の新築工事現場でタバコを吸っていたり、ゴミを散らかしたままであったり、お客様が工事経過を見学されているときに挨拶もできない方には辞めていただきました。」(p47)
自宅を新築前に、関わる人すべてが禁煙者でお願いできるならそれだけでその会社に依頼したいと思ってた私(そしてあきらめて、がっかりして、という体験もしました)には、この部分が一番衝撃でした。 そんな会社が、近くにあったなんて〜。
社員全員で感動をシェアするための仕組み。 また、全社員の役割が具体的かつ詳細に発表される仕組みも、意識を向上させるのに効果的だと思います。
共感したスタッフポリシー。
「言葉を行動にしないことや、伝わらない気持ちはないものと同じと考えよう。」(p64)
「参加することは、そこにいることではなく、発言し行動することと、とらえよう」(p65)
「大切な無駄と、精度あるスピードを追求しよう。」(p65)
「『正道』と『感謝』そして生み出した仕事に『遊び心』を!」(p65)
そんな明確化されたポリシーに共感し、実現できる社員採用の基準、面接もユニークでした。 夢、感動、そして「7」は私の整理収納講座で使っているのと同じ質問で、それにもびっくり。
社員力をあげるため工夫の数々。 優先順位という考え方にも共感しました。 ぶれないで前に進むためには、それがしっかりと、はっきりとしてないといけない。 そのためのロハス休暇。
「私自身の幸せを感じる瞬間は、大切な人とのつながりを作っているとき、人に幸せな時間を与えられたとき、癒しの時間、完成がビンビン刺激されるときです。」(p77-78)
ホスピタリティについて。
「売るものがほとんど同じ場合には、『How(どのように)』の部分、つまり心のサービスで決まるのです。」(p82)
「あなたが目指すべきレベルはお客様を感動させ、感激させること。その結果、感謝される会社やお店になるのです。」(p94)
顧客満足度をあげるための5つの項目が紹介されています。 4の「顧客の間にコミュニティを築く」(p96)はキララ人工房やブログの取り組みがそうなのだな、と納得。
顧客満足度と利益のつながり。 ロイヤリティ(忠誠心)、口コミ、価格プレミアム、運用コストの削減、顧客獲得率。
マニュアルにない気遣いで、顧客のセルフイメージを高める工夫。
「『あなたの仕事は掃除をすることではありません。ディズニーのキャストの一員として、掃除というショーをお客様にお見せして楽しんでいただくことです』」(p114)
雑用は、雑にするから雑用になるという言葉を思い出します。 なんでも、やり方次第、心がけ次第で、ショーになる、感動させることができる。
P119の「プランづくりドリームゲート」の"Good life is good plan"のキャッチがいい!
夢が叶うように、明確化していくためのツール。 家を建てることがゴールではなく、建てた家で何をする、どう過ごすことが夢を叶えることになるのか、そこに焦点をあてる。 ゴールの明確化はやはり大事ですね。
都田建設さんが大切にしている二つのポイント。 物語を作ることと、家作りを通して人生で大切なことを楽しく学ぶということ。 「モノ」を売るだけではなく、「コト」を売る。
アリストテレスの言葉の紹介。 「私たちが何者であるかは、私たちが何を繰り返し行ったかで決まる。 だから、卓越とは才能ではなく、訓練と習慣の賜物である」(p133)
自分自身が商品でありサービスである。 ならば、やるべきことが見えてくるはず。
「あなたはこの1年間で、何回くらい人を感動させてきましたか?」(p172)
どきっとして、考えてみて、反省してしまう質問です。 それでも大丈夫だと。 まず自分が感動すること。そしてそれを表現していくことだと。
「大事なことは、このように相手のことを考えて小さな行動を起こすことなのです。」(p173)
小さな行動の積み重ね。小さな改善の繰り返し。 そして得られる相手からの笑顔が、また自分の力になり、結果もついてくるのでしょう。
「お客様のハートをキャッチする10の方法」から。 どれも参考になりますが、特に心に刻んでおきたいのは 「3 自分が満足できるサービスを2つ以上組み合わせてみよう 4 一つの大きいサービスより、2つ以上の小さいサービスを提供しよう」 「7 1年後のお客様に、今、サービスをしよう」(p178)
「本当の価値は、聞きたくないことをすべて聞くことにあります。」(p183)
失敗やミスや閑古鳥やクレームが教えてくれることは、大きい。
実行することリスト。 大切な人は誰? ホスピタリティ的な行動として何ができる? 仲間は? 感動と幸せを呼ぶ行動は? 口コミしたくなるのは?誰に伝えたい? まず実践すべきことは?
小さなかけ算の積み重ねで、たくさんの笑顔に。
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※この本で紹介されているおすすめ本 『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』 『サービスの天才たち』 『サービスマインドをたかめる物語』 『影響力の武器第2版』 『感動をつくれますか?』 『ホスピタリティの教科書』 『ディズニーが教えるお客様を感動させる最高の方法』 『お客様の心をつかむ真実の瞬間』 『「思いやり」という世界で一番のサービス』 『子どもへのまなざし』
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