| 2010年04月07日(水) |
ロバート・マウラー /本田直之『脳が教える!1つの習慣』 |
 『脳が教える!1つの習慣』 ロバート・マウラー /本田直之 講談社
人はどうすれば成功するのか?そして、成功した人は、どうやってその成功を維持するのか?
という問いに応えてくれる一冊です。
心に残ったところ。
アメリカ政府が戦争の際に軍備の増強に備えるために考案し広めたTWI(Training Within Industry)。
「TWIのコースでは、求められる結果を出すために、過激で革新的な変化は奨励しなかった。 むしろ経営者や管理者に『小さな改良を継続して行い、それを習慣化すること』を目指すよう勧めたのだ。 小さな改良をつづけ、それが『習慣』として身につけば、すべては変わると。」(p31)
継続的改良をもっとも熱心に提唱したのが、統計学者ウィリアム・エドワーズ・デミング博士。
「一歩一歩は小さくても、確実に行動し、習慣にすれば、やがて大きな目標に到達することができるーそれを忘れないでほしい。」(p42)
「想像力や目的ある行動が抑制されるのは、まさにそれがもっとも必要なときなのだ!『小さな一歩を実践する習慣』は、こうした脳の特性に対する秘密の解決策だ。」(p51)
大きな、革新的な試みは大脳辺縁系の警告を呼び起こし、恐れや不快感から行動を制限する。 一方、小さな一歩は大脳辺縁系(扁桃体)が見過ごしてしまって、大脳新皮質へ働きかけることが可能になる。
「変化」と気づかれない変化を続けること、これが最も重要なこと。
脳には質問が有効という話。
「質問は脳を目覚めさせ、喜ばせる。脳は、たとえばかばかしい質問だろうと奇妙な質問だろうと、質問を受け入れ、じっくり考えるのが好きなのだ。」(p66)
質問と命令では効果が大きく違ってくる。
私は今よりもう少しすっきり暮らすために、今日何ができるだろう? 子どもと楽しく過ごせるようにするために、できることはなんだろう?
「小さな質問は他のどんな領域でも、想像力を押しつぶす恐怖を静めてくれる。」(p74)
私は講座をすることで、世の中に何を伝えたいのだろう?
小さな質問を繰り返す。 自分にできる小さな一歩はなんだろう?
自分をラクに鍛えられる方法として紹介されているマインド・スカルプチャー。 開発したのは、脳リハビリの世界的権威イアン・ロバートソン。 五感すべてを用いて静かにイメージする技術。 なぜ有効かというと、 「脳はイメージしている行動と実際の行動の区別がつかない」(p99)から。
続けることで、脳の中で科学的な変化が起きると。
「最初の一歩を本当に小さなものにすると心がけていれば、成功に向かっていける。最初の一歩を楽しめるようになったら、つぎの小さな一歩に進むべきか判断する。(略) さらに小さな一歩を三歩、四歩・・・と続けていくうちに、あなたの脳はためらいを払いのけ、ペースをどんどん上げていく。」(p144-145)
そしてうまくいかなかった場合は。
「どうも気がすすまないとか、やらない言い訳を探している自分に気がついたら、もっと小さな一歩にもどるべきだ。」(p145)
トヨタの改善の話も出てきます。 あんどんがもっとも生産性をあげる手段だったことについて。
「小さな問題をその場で解決することが、のちのち、はるかに大きな問題が発生するのを防ぐ。」(p153)
『脳が教える!1つの習慣』
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