| 2009年09月21日(月) |
外山 滋比古『思考の整理学』★★★☆☆ |
 『思考の整理学』 外山 滋比古 筑摩書房
心に残ったところ。
「なんでもすべてとって置くのがいいのではない。あまりたくさんたまると全体の利用価値がさがってしまう。慎重に、ときどきは、整理、つまり、廃棄にまわすものをつくらなくてはならない。 ぜい肉をおとしておかないと、動きがとれなくなるのは人体と同じだ。」(p84)
「人には向き不向きということがある。ほかの人にとって、どんなにすぐれた方法であっても、自分でやってみると、うまくいかないということは、これに限らずいくらでもある。」(p91-92)
お片づけにおいても同じ。 暮らしぶり、時間の使い方も同じ。
捨てる難しさについて。
「すてるには、その人間の個性による再吟味が必要である。これは没個性的に知識を吸収するのに比べてはるかに厄介である。」(p131)
知識を力にするために。
「たえず、在庫の知識を再点検して、すこしずつ慎重に、臨時的なものをすてて行く。やがて、不易の知識のみが残るようになれば、そのときの知識は、それ自体が力になりうるはずである。」(p132)
持っているだけでは何にもならない知識を自分の力にするのも、自分次第。
書くことと、何かをすることとは同じだなと思ったこと。
「あまり構えないで、とにかく書いてみる。(略)だんだん考えていることがはっきりする。(略)自分の頭がいかに混乱しているかがわかったりすることもある。(略)書き進めば進むほど、頭がすっきりしてくる。先が見えてくる。もっとおもしろいのは、あらかじめ考えてもいなかったことが、書いているうちにふと頭に浮かんでくることである。」(p136-137)
第一稿を満身創痍になるまで推敲したら、第二稿をさらに練り上げる。 文章に限らず、部屋の片付けも、お化粧も、掃除も、プレゼンテーションも、習字もきっと同じ。
ほめることの効果について。
「ひとりでくよくよするのは避けなくてはいけない。人と話すのなら、ほめてくれる人と会うようにする。批評は鋭いが、よいところを見る目のない人は敬遠する。」(p150)
グライダーではなく、飛行機型人間がよい、ということ。
「汗のにおいのする思考がどんどん生まれてこなくてはいけない。それをたんなる着想、思いつきに終らせないために、システム化を考える。」(p196)
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