| 2006年11月02日(木) |
ゲイリー ポールセン『少年は戦場へ旅立った』★★★★☆ |
 『少年は戦場へ旅立った』 ゲイリー ポールセン Gary Paulsen 林田 康一 あすなろ書房
子どもがもう少し大きくなったら、この本を読ませたい。
そして、子どもには、この本が描かれた世界には、決して、決して行ってほしくない。 行かないでいいように、大人が努力しなければならない。
出版社 / 著者からの内容紹介 兵士になることに憧れ、年齢を偽って入隊した少年チャーリー。彼がそこで目にしたのは驚愕の光景だった。少年が見た戦争を描く衝撃作。
チャーリーは実在した人物だったとのこと。 そして描写もすべてそこで実際に起きたことだと。
読み終えて、ずっしりと重いものがお腹に残った。
死んでいった兵士たちの痛みや悔しさや悲しさや無力感やなぜ?という思いの重さかもしれない。
戦争は嫌だな、というと『終戦のローレライ』とか、『夕凪の街桜の国』を思い出すのですが、この『少年は戦場へ旅立った』を入れて私の反戦三部作としてもいいかも。 (福井晴敏さんはちょっとどーよという気もしないでもないけど)
心に残ったところ。
「二人とももう死んでしまったのだ。(略)マッセーにはもう首から上はない。中尉にはもう脳みそも心臓もない。ほとんどなにも残っていないだろう。チャーリーには、穴を掘って埋めてやるほかに、二人のためになにをしてやれるのかわからなかった。それどころか、自分のためになにをしたらいいのかさえ、わからなかったのだ。」(p32)
「殺してやる。チャーリーは思った。つかまえて、銃剣を突き刺し、息の根を止めてやる。やつら全員だ。突いて、刺して、撃ちぬいて、皆殺しにしてやる。南軍のやつらを根絶やしにしてやるんだ。二度と立ち上がれないように。一人も残すもんか。一人もだ。皆殺しにしてやるんだ。 やつらに殺される前に。」(p54)
「もしも、実際に殺し合いをする人間、実際に死ぬ人間がすべてを決めることができるなら、戦争なんて起こらないだろう。」(p67)
「恐怖のさけびは、やがて怒りのさけびへ、そして、ついには凶暴な喜びのさけびへと変わっていった。それは、戦う喜び、勝つ喜び、殺す喜び、生きるために殺す喜びだった。」 (p87)
今も、戦闘のただなかにいる兵士たち。 それに巻き込まれているだ人々。 兵士の家族。恋人。友人。
誰も殺し合いなんかしたくないのに。
したい人がタイマン張ってやればいいのだ。
今一番怖いのは、戦争が起きて夫や子どもが殺され、自分だけ助かること。 そんなことを時々、ふと思う。 戦争じゃなくても事故や事件に巻き込まれない可能性もゼロじゃないし。
だから、自分のできる範囲で、できることで、少しでもいい世の中にしていけるよう、行動していくこと。
自分のこどもをチャーリーにしないために。
『少年は戦場へ旅立った』
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