最期の言葉

昨夜、彼から一通のメールが届いた。
「夜は眠れているか?夜中に目覚める事はないか?」と。
夜中に目が覚めてメールを見たが返信はしなかった。

そして、今朝、彼から電話が入る。
「何も連絡をくれないから俺からしたよ」と。

そして、彼から頼み事をされた。
亡くなった人が生前大切にしていたものを見つけてくれないか?という話。
探してみようと試みたが、何かがそれを拒む。
たぶん、私の気持ちがそこには踏み込んではいけないのだと思うのと
あなたの来る場所ではない…と言われている気がして
私の第三の目はそれを見ようとしないのだ。

そして、私は何よりも今は彼と関わる事から逃げている。
きっと、自分でも無意識に見てはいけないものを見てしまったのかもしれない
今はいない人の意思を私は凄く感じて
私はそれに共感して、自分から遠退く意思を固めつつある。

彼と出会ったのは、偶然ではなく
導かれた末の必然だという事は知った。
だけど、それはきっと共に生きる為ではなくて
彼をそれから解放して自分の為に生きてもらう為の
私は役割を担っているのだとさえ思える。

私が求めずして背負ってしまった業。
これを背負っていくのは私たちだけで充分だ。
彼をそれらから解放してあげたいし、共に背負わせたくはない。

私が以前のように何も知らないままならば
きっと、こんな風には思う事もなかったのだろうな…。
あるモノを得た代わりに、いろんな事実を知る事になり
こういう結果を招いた・・・これも私の背負った宿命という名の皮肉。

だから、私はもうあなたには会えないよ・・・。
それが二人にとってどんなに苦しい事だとしても。
だって、それは・・・。
あなたが心から大切に思ったあの人の残していった本当の意思・・・。
あなたが知りたいと言っていた「最期の言葉」なんだよ・・・。


2006年09月15日(金)

たれゆくままに・・・。 / たれぱんだ

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