経る時・・・

もくじかこみらい

日が経ちました。「経る時・・・。」を書き始めて 日目です。


2007年06月16日(土) 網膜中心動脈閉塞症

右眼は、光を失ってしまったわけだが、まあ、仕方ないここと思っている。
脳腫瘍とは別の話なのでこちらに書くことに。

脳腫瘍の再摘出手術の後、ICUで、右眼に痛みを覚え、違和感に気がつく。
医師に伝えると、顔の腫れの為といわれた。(額部から眼部の皮膚を反転させているので
これは正しい。前回も、かなり腫れた。)

深夜になり、やはり、光すら感じないので、先生達が動き始める。

CTを撮りに、ストレッチャーで移動するが、脳腫瘍の手術自体は成功。
神経等、傷つけて様子もなく、翌日の午後、眼科行きの指示が出た。
(この時点で、すでに眼球としては、手遅れであるのは、後に判った)

亀井医師に診て貰うと、大慌てで、脳神経外科の執刀医の萩原医師に、
内線電話をしている。まあ、話は、丸聞こえ(^^;)

病名は『網膜中心動脈閉塞症』だった。

□網膜中心動脈閉塞症
http://www.skk-health.net/me/06/index.html
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10A70200.html


緊急処置で大量の点滴(ダイアモックス)をして、家内に教示して、眼球マッサージを2時間程度する。
まあ、結果、やはり、光覚は、回復しなかった。

脳の手術をした都合上、血栓を溶かす薬剤等は、使えなかったのだ。


なんでも、こんなケースは、東京女子医科大学病院でも、初めてのケースだそうで、
きちんと対策は、してあったのだが、発生してしまったようだ。

手術時間が長時間に及ぶと、脚部等の血液が停滞するので下腿部にサージカルストレッチタイツ
という、タイツや、マッサージをするポンプを取り付けて、鬱血を防止する。

いわゆる、『エコノミー症候群』の防止だ。この場合、血栓が飛ぶ可能性があり、
今回の場合、眼球部に飛び、網膜の毛細血管に詰まってしまったようだ。

ただ、運が良いともいえるのだ。脳に詰まれば『脳梗塞』、肺に詰まれば『肺梗塞』、
心筋に詰まれば『心筋梗塞』で、命取りだったので。

何にせよ、右眼の光覚は、2度とは戻らせない・・・

しばらくは、婦長さん、看護師長さんが、煩雑に、様子を見に来た。
まあ、人によっては、悲観して、どんな行動を取るか判らないからね。

家内や母には、「差額無しで、大部屋から、2人部屋等に替えましょうか」等
の提案もあったようだが、逆に、話し相手がいなくて、滅入ると思う(^^;)

何人もの看護師さんに、「さかいさんは、失明したり、脳腫瘍になったりしているのに
なんで、明るくて、前向きなんですか?」と、尋ねられたのだが、
たぶん、自分の身に降りかかった、いろいろな商売上の苦しみ、生まれてからすぐの大手術等、
乗り越えてきたからだと答えた記憶がある。

生きていれば、それだけで幸せなこと。そう思っている。


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