経る時・・・
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日が経ちました。「経る時・・・。」を書き始めて
日目です。
右眼は、光を失ってしまったわけだが、まあ、仕方ないここと思っている。 脳腫瘍とは別の話なのでこちらに書くことに。
脳腫瘍の再摘出手術の後、ICUで、右眼に痛みを覚え、違和感に気がつく。 医師に伝えると、顔の腫れの為といわれた。(額部から眼部の皮膚を反転させているので これは正しい。前回も、かなり腫れた。)
深夜になり、やはり、光すら感じないので、先生達が動き始める。
CTを撮りに、ストレッチャーで移動するが、脳腫瘍の手術自体は成功。 神経等、傷つけて様子もなく、翌日の午後、眼科行きの指示が出た。 (この時点で、すでに眼球としては、手遅れであるのは、後に判った)
亀井医師に診て貰うと、大慌てで、脳神経外科の執刀医の萩原医師に、 内線電話をしている。まあ、話は、丸聞こえ(^^;)
病名は『網膜中心動脈閉塞症』だった。
□網膜中心動脈閉塞症 http://www.skk-health.net/me/06/index.html http://health.goo.ne.jp/medical/search/10A70200.html
緊急処置で大量の点滴(ダイアモックス)をして、家内に教示して、眼球マッサージを2時間程度する。 まあ、結果、やはり、光覚は、回復しなかった。
脳の手術をした都合上、血栓を溶かす薬剤等は、使えなかったのだ。
なんでも、こんなケースは、東京女子医科大学病院でも、初めてのケースだそうで、 きちんと対策は、してあったのだが、発生してしまったようだ。
手術時間が長時間に及ぶと、脚部等の血液が停滞するので下腿部にサージカルストレッチタイツ という、タイツや、マッサージをするポンプを取り付けて、鬱血を防止する。
いわゆる、『エコノミー症候群』の防止だ。この場合、血栓が飛ぶ可能性があり、 今回の場合、眼球部に飛び、網膜の毛細血管に詰まってしまったようだ。
ただ、運が良いともいえるのだ。脳に詰まれば『脳梗塞』、肺に詰まれば『肺梗塞』、 心筋に詰まれば『心筋梗塞』で、命取りだったので。
何にせよ、右眼の光覚は、2度とは戻らせない・・・
しばらくは、婦長さん、看護師長さんが、煩雑に、様子を見に来た。 まあ、人によっては、悲観して、どんな行動を取るか判らないからね。
家内や母には、「差額無しで、大部屋から、2人部屋等に替えましょうか」等 の提案もあったようだが、逆に、話し相手がいなくて、滅入ると思う(^^;)
何人もの看護師さんに、「さかいさんは、失明したり、脳腫瘍になったりしているのに なんで、明るくて、前向きなんですか?」と、尋ねられたのだが、 たぶん、自分の身に降りかかった、いろいろな商売上の苦しみ、生まれてからすぐの大手術等、 乗り越えてきたからだと答えた記憶がある。
生きていれば、それだけで幸せなこと。そう思っている。
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