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2012年12月15日(土)
今度こそ忘れるな

山本おさむさんの漫画
『今日もいい天気PartII』
第49話「雑草の王国」より

(原発事故により、人が消えた町。
水田地帯には雑草が生い茂る。
雨の中、荒涼とした風景を前に、やりきれない思いで
山本さんはカメラを構える)


防げたかもしれない悲劇が
何度も繰り返されてきた

そしてそのたびになぜか
俺たちは忘れてしまうのだ

その人たちが死んでも忘れる
病に苦しんでいても忘れる
 血を流していても忘れる

俺たちは忘れ続ける
見ないようにする
 今も忘れるという悪魔を
 退治できないでいる

あいつらは知り抜いている
俺たちがテレビのスイッチを切れば
すぐに忘れて飯を食う
ということを

そうやって人をコケにして
俺たちはコケにされて
今日まできたのだ

俺はやっぱり福島へ帰ろう

福島に住んでいやでも
福島を忘れないようにしよう

そして人をコケにしやがる
政治家や官僚や経済人と
やらを憎んでやろう
 死ぬまで呪ってやろう

そんな感情論で
何が解決するのだと
言うやつがいたら
張り倒してやろう

感情論の何が
悪いのだ
痛ければ痛いと
言うのだ

これを見ろ
この風景を見ろ

あいつらは
痛くもかゆくも
ないんだろうよ

今日もまた
会議を開いて
どうごまかそうかと
考えているんだろうよ

忘れるな忘れるな
今度こそ忘れるな

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(転載しすぎ?申し訳ないですが)

これらのモノローグが
精緻に描きこまれた風景とともに
一層凄みをもって、胸に迫ってくるわけです。
来年初めに単行本化されるらしいので
もちろん購入したいと思っていますが


「今度こそ忘れるな」というメッセージが
この週末、広く広く届いてくれたらいいのにと
思わずにいられません。

この漫画がどんな媒体に載っているかということは
それはそれ、で別として考えていただいたほうがいいです。
(本作と、その媒体の政治色とはあまり関係ないので。
むしろ読者が限定されるのがもったいない)

この状況を作ってしまった過ちを。
どうせ忘れてんだろ?となめてかかってくる連中を。
絶対に忘れるな!思い出せ!というのは
日本の未来を考えるのに一番必要な材料だと思います。

耳障りの良い新しいだけの言葉ではなく
本当に自分が未来に望むものは、なんなのか。
どこを選ぶにしても、
それぞれの主張に、もう一度目を通しておきたいですね。

あしたは投票日です。