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| 2010年04月19日(月) ■ |
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| あたらしくおにいさん 〜横浜おじさん 6(完結篇)〜 |
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(やや脚色、推測を加えてお届けします。半フィクションと思っていただければ)
マミーおばさんの弟は、10代で家を出てから後、連絡をほとんど取ることはありませんでした。彼の父親は再婚をくり返し、複雑な家庭環境で彼の心は傷付いていたのです。 物心つく前に引き離された母親(私の祖母)を恋しく思っていたそうです。しかし、二十年ほど前、ひさしぶりに電話で連絡を取った姉(マミーおばさん)から、母親の死を伝え聞いたのでした。 結局、数十年の間、彼は実家の親とも姉とも会わずに生きてきました。
ところが、ある日。 ヘンな手紙が届きます。
自分の弟、妹を名乗る人物からでした。 彼の叔母がなくなり、自分が、その遺産相続人の一人であるという。 このご時世です。うさんくさい手紙。どんな詐欺の手口なのでしょうか。
……というふうに、手紙だけでは怪しまれるのがオチなので、 ノリノリおじさんと、うちの母親は、横浜へ。彼の住みかを直接訪ねたのです。 住所は、妹の連れ合いが、まあいろいろいろいろやって調べ上げてくれたんですね。グッジョブ。
そんなわけで、2年前の早春。ようやく、見知らぬきょうだいは初対面にこぎつけることができました。母にはノリおじのほかに、もうひとり、お兄さんができたのです。
小さいばあちゃん(祖母)も、うちのばあちゃんも、 それぞれ、あちらに旅立つ時に 新しい縁を遺してくれたのです。 ありがとうね!
うちのばあちゃんの遺産協議の結果は…… ばあちゃんきょうだいの取りまとめ役として、がっこう前おじさんが 法事の席で、一族に説明をしました。 私もいいかげんで良く覚えてないんですが、だいたい次のような結論となりました。
ばあちゃんには子どもがいませんでしたが、還暦の頃からは、うちの母親の家族として同居し、最晩年ホームに入るまでは、母が老後の面倒を見た形になりました。 一緒に過ごした時間を考えると、母がばあちゃんの娘のような存在だったといえます。 このことから、遺産の半分は、うちの母親が相続することになりました。 もう半分は、のこりのきょうだい6人分にわけ、亡くなったきょうだいのところは、その子供たちでわけることになりました。
よく、ドラマなんかでは遺産関係で親戚関係のドロドロ模様が描かれたりしますが… うちの親族からは、協議結果には、まったく異論は出ませんでした。まあ無難な結論だったとも思いますし、あまり金だの権利だのにうるさくない、まとまりの良い一族なのです。 ばあちゃんたちのきょうだいは、みんながみんな貧乏なのを、助けあってやってきたからなのでしょう。
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