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| 2009年10月18日(日) ■ |
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| 消滅 |
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近年、世間から取り残されまくりの私は、今日まで全然知らなかった。漫画家のSABEさんが亡くなっていた。今年一月に永眠、六月に出版社から逝去の発表があったのだ。 単行本は全部買っていたわけじゃない(好きな他の漫画家の新刊も入手できてない)けど、『ブルマー1999』は手垢がつくほどよく開いた、私にとってのエロマンガの教科書のひとつ。ブルマー漫画家なんて呼ばれるけれど、私はあの人の描く裸が好きなのだ。乳も尻もモモも手も足も、写実的なのにスッキリと整理されてて、絶妙。男も女も上手い。どうでもよさげなものは徹底的に手を抜くギャップも気持ち良い。ブルマの二人よりもフード女が好き。宇野もえみさんとミカちゃん好き。「先輩抱いてよ」とか好き。「みんなのお兄さん」は似すぎでヤバイ。ホント上手い。 だけど、作品を追えてたのは7〜8年前の快楽天くらいまでで、奥さんが南Q太さんだったことも、離婚して娘さんと淋しいお別れをしていたことも、知らなかった。ひとりになって、娘さんに会いたくても会えなくて、でもこの先も生きていくのか。なにを描いたらいいのか。そんな静かな絶望を想像してしまう。もっと幸せになってほしかった。…なんて思う時は大抵遅いんだけど。
「ブルマー1999」収録の短編「ブリード」は、娘さんの誕生後、離婚よりも前に描かれたものだと思う。「実感を込めて描いた」(解説より)というこの作品のクライマックスのモノローグは、こんなだ。 ---------------- オマエは 種を付け終わった
もうオマエの男性としての 仕事は終わった
終わったんだ 終わりなのだ
欲望を捨てよ 盛ることを恥と知れ
オマエはもう 絞りきったカスなのだ 抜け殻として生きよ
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…………今になってこれを読むと。
泣けました……。
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