あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2005年09月10日(土) 原風景





駅に、降り立つと、
既にそこにはあのひとの気配が満ちていて、僕は息苦しく抑えた呼吸で
改札へ続く階段を上がってゆく。
改札を抜ける前にもう、あのひとは目を伏せた姿で僕の目に一瞬で焼きついて、
僕は切符を手に目を逸らして改札を抜ける。
進まない足を、ゆっくりと機械的に前へ運びながら、
無意識に僕はあのひとまでの歩数を数え、
壁際に立つひとを目の端にとらえたそれだけの姿勢で
一歩ずつ近付いていく予感を諦めとともに受け容れる。
隣に、立つと
目を上げてその視線をとらえ
微笑む、言葉では何を言えばいいのかわからなくてこわい






 *


恋なのかな。こういうのが。
だとしたら苦しすぎて思い出すたびに息ができなくなる。
想うだけで胸が詰まって、そんな日は朝が来ない。
もうどこへ行っても逃れようのない、そんな絶望感に満ちてしまうから、
僕の原風景は夜の雨、街外れの高台で潤んだように光る淋しい景色だ。
僕は結局今でもずっと、あの景色を探している







↑眩暈、

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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