なおきに、新しくできたメロンパン屋さんに連れていってもらう。
けっこーな行列で。
2人で並んでいたんだけど。
入ってきたクルマを見て
『 あ。元カノ。』って なおき。
目線の先には ライフ。
運転する 大人の女性。
助手席で眠る子供。
後部座席に座る おばあさん。
私の前に付き合ってた人。
26とか27とかそれくらいって言ってたかな。
年上で、バツイチの人。
何度も話は聞いていたけれど、会うのは初めてだった。
なおきの存在に気付いたその人は
駐車場を出ていってしまった。
私がいたから余計に気まずかったんだろうなぁ。
私は チラっと見ることしかできなかった。
その時は全然気にならなかったんだけれど
夜 ウチに帰ってから
なおきは あたしを好きになる前
あの人のことが本当に好きだったんだなぁ って。
そうやって考えてたら
なおきが私のことを好き って思う気持ちも
いつか「 過去形 」になっちゃうのかな とか。
今日、メロンパン屋さんで会ったのをきっかけに
またあの人がなおきのことを好きになったらどうしよう とか。
きっとなおきは優しいから
あの人のことをキョヒれないんじゃないかな とか。
いろんなことがアタマん中をめぐって。
すごく 不安な気持ちになる。
「 どこにも行かないで。あたしだけのなおきでいて?」
素直な気持ちをメールする。
『 なんでそんなこと聞くの?』
「 誰にも渡したくないから。」
『 そっか。聞かなくてもわかるだろ?』
「 だいじょぶ。ちょっと不安になっただけよ。もうだいじょうぶ。」
そしたら すぐになおきから電話がかかってくる。
不安な気持ちにしてゴメンね。 って。
なおきは全然悪くないのに。
私が勝手に想像して。勝手に不安になって。 凹んで。
なおきの声は優しい。
あたしの耳に心地よく響く。
なおきの声を聞いているだけで
あたしは安心することができる。
ありがとう。
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