声の音

2011年09月11日(日) 大事な才能

その昔、ゼミの先生に
「作家になるために一番必要な才能はなんですか」
とゼミ仲間の誰かが言った。

先生は
「どんな時でも書き続けられること」
と答えた。

アイデアは誰にでもある。
それをストーリーに組み立てることも
文章にしていくことも
ある程度勉強すれば、慣れて出来るようになる。

実際、ゼミを受けていた皆、そこそこのものは
作れていた。そうだ。先生曰く。

でも、大学を卒業して
仕事をしたり結婚したり子育てをしたり
そんな日常の中で
ずっと書き続けていけるのか。

それが大きな才能なのだ、と先生は言った。

残念ながら私にはその才能は無かったよう。

でも「続ける」才能が大切なのは
きっと合唱だって同じだ。
良くも悪くも「趣味」と分類される合唱を
環境の変化や心境の変化のなかで
どれだけ続けたいと思えるか、そのための努力ができるか。

その才能はあったのかも、とちょっと自惚れていたけど
自信がなくなってきた。

とても中途半端な自分がいる。


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水井ちな [MAIL]