ゆれるゆれる
てんのー



 Selamat Hari Jadi、誕生日おめでとう俺

 26歳になった。
 こんなに暑い誕生日は生まれて初めてだ。そして僕だけのためにケーキを二つも買ってもらったのも初めてだ。本当にうれしい一日だった。世界中の人たちが祝福してくれているような気がした。じっさい、まわりの人たちみんながお祝いを言ってくれた。
 26歳。比較には何の意味もないと、頭ではわかっている。けれど、感慨は止めようもない。『深夜特急』の26歳。『地雷を踏んだらサヨウナラ』の26歳。僕が生まれたとき親父は26歳だった。母親もすぐに26になった。僕はアジアに住んでいる。僕は26歳の一年で何を遺すんだ? いや、何が遺されてしまうんだ? 僕は生産する、汚くて使いづらくて、恥ずかしい何かを。
 そしてそのうちに生産もやめる、一般論をたくさん吐き出すだけの恥ずかしいオヤジになるんだ。
 それでもいい。今、夢について考える時間があるだけでも素晴らしいことだ。
 ばーか、お前なんかに語るわけねえだろ。

2003年01月06日(月)
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