今日、わたしは、ため息ばっかりだったのです。 トイレでね、(よし!)って、自分を奮い立たせて、 そうして笑顔で過ごそうと、がんばったよ。 わたし、がんばったんだ。
夜、近所の本屋さんにいたら、 モンシロチョウが迷い込んできた。 沢山の本の上、 うつむいて活字を追う人たちの頭の上を、 腕の横を、 モンシロチョウがひらひら舞う。 わたしは、もし天使がいるとしたら、 これは天使のいたずらに違いないって思った。 閉め切った部屋の窓を開けるように、 さわやかな夜の空気が胸に入ってきた。
ここから先に起こったことは、うそみたいだけど、本当のお話。
このチョウは、やがて書店の片隅に力尽きて落ちてしまうのだろうか? と考えていたら、 チョウが私のそばに飛んできた。 ひらひらひらひら 本にとまる、飛び立つ、また私の周りを飛び回る。 私のバックにとまれ!そうしたら、外に連れて行ってあげる… そう考えていたら、 チョウが視界から消えた。 よく見ると、私のパンツに止まっている。 私は買うはずだった本をそっと置き、 そーっと、そーっと本屋さんの中を歩く。 入り口を通過して、そっとパンツを振ると、
モンシロチョウが夜の中に飛び立った。
私のため息は、 モンシロチョウが空に運んで行ってくれた。
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