ジョージ北峰の日記
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2015年02月01日(日) この悪性新生物----この化け物の正体を暴く

最近では、研究者の関心は癌よりも再生医療に移りつつある。しかし、人類の死因の第一位が「癌」であることにはやはり変わりはなく「癌研究」が人類にとって最優先課題であることは勿論変わらない。

が、ただ癌研究者にとって、癌の原因が「突然変異」と判明してから以後は、その基礎研究に対する関心が著しく低下したことも否めない。
それはそれとして「癌は治る病気であるか?」との問いに対する答えは簡単だ。

癌治療の道のりは、まだまだ困難で長く続くだろうが「癌は治る病気である」と言い切ることは出来る。

  私は、これは間違いなく真理命題だと信じている。


この点について少し突っ込んだ議論をしてみよう。
末期(IV期)の悪性腫瘍が何故手につけられないか(前回説明したが)、この時期になると癌細胞は原発病巣からばらばらに離脱する自由を獲得、そして原発巣を離れて他の組織へ侵入、宿主の防御網をズタズタに破りながら増殖する。(彼等の攻撃は昔の革命軍の戦略、パルチザンのようで)、宿主の防御網を分散させることで、宿主側の抵抗力を著しく削ぎ、宿主の防御壁を簡単に突き崩すのだ。


癌が限局していれば病巣を外科的に一挙に取り除く事が出来るだけでなく、防御力も一か所に集中できるので抵抗力が有効に働くが、癌がIV期まで進行すると、癌細胞は全身の色々な場所に広がっているので外科的に取り除くことも、強力な免疫による攻撃力も有効に働かなくなってしまう。


しかしそれでも、これまで私は癌が完全に宿主から 消失した症例を2例経験したことがあった。それも成体から消失した癌は2例ともIV期の癌であった。

  突然変異を繰り返し、正常から最も遠い位置にあるIV期の癌細胞が完治したのだ。当時、これには誰もが驚いた!!

  しかし私には十分納得できる話しだったと言えば傲慢だろうか?
 

昔、食生活の改善で癌が直るとか、絶食療法で癌が治るとかいった話題が週刊誌や新聞紙上を賑わしたことがあった。
  少し眉つばの話のように聞こえるが、実はこの話が、全く「デタラメ」と切り捨てられない癌治療(の本質)に迫る重要な鍵を握っていたのだ。


私は、化学療法や放射線療法のような近代的な方法で癌細胞を「やっつけるのではなく」もっと緩やかな食事療法で治せる時代が必ず来ると信じている。
   その科学的根拠を少し話してみよう。

私達の体は骨のような硬組織を除けば弾性体から出来ている。弾性体とは柔らかいゴムボールのように、外圧を加えると形態が変形するが、外圧を除くと変形が元に戻る性質を有す物体のことだ。


生体は弾性体なので、(圧)が個々の細胞に一定の「力」を絶えず加えている(これを組織圧と呼ぶ)。
   
  この組織圧が人間の細胞分裂、臓器の形、さらに生体の形にも重要な役割を演じていると考えられている。



昔ある有名な科学者が宇宙人を「骨を持たない、柔らかいタコのような形」をした存在物と想定されたことがあった。宇宙空間に住む生命体には硬組織(骨)が必要としないと考えたからだった。 


確かに私達は日常一定の重力下で生きている。

私達はこの事を忘れがちだが、無重力の宇宙空間で生活している宇宙飛行士の場合、骨密度がどんどん低下していくらしく、又宇宙から帰って来た時は、地上で呼吸する事すら困難を感じるそうだ。

つまり私達は一定の重力下で生きることに慣れ切っているので気付かないが、私達の細胞は地球の重力を受けながら、ある組織圧下で分裂し、組織や器官を作成し、人間を形作っているのだ。

  つまり細胞にかかる重力が私達の形や大きさを決定するのに重要な役割を果たしているに違いない。

そこで、一つの仮説を立ててみよう。

 つまり、正常細胞では、細胞に圧(単位面積当たりの力)を感受する受容体があり(圧センサー)、(分裂に際して)このセンサーを介して情報が核に伝達される----と!

  正常の圧センサーによって要請されるエネルギー量は(無制限ではなく)、活性化され蛋白合成に必要な遺伝子量にだけ(体や器官の大きさや形を決定するに必要な量だけ)に厳格に調節されているに違いない。

  つまり正常細胞では、圧センサーの微妙な働きによって無駄なエネルギーを消費する事が禁じられているに違いない。

  一方癌細胞といえばどうだろう?ここからは、実験から得られるデーターを示しながら(分かりやすく)説明してみよう。

簡単にいうと正常細胞と癌細胞の最も大きな違いが、この部分にあり、癌細胞は分裂に際して圧センサーの影響を全く受けることがなく、必要なエネルギーを無制限にしかも正常細胞の何万倍も作り出すこと出来るのだ。


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