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人物紹介


居残り
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Mさんと大学生二人と会った翌日。
私は学校で昼休みに校則違反が見付り、職員室前に立たされていました。

その学校には、許可無く立ち入ってはいけない場所があり。
陽気がよく、心地良かったので昼休みに行こうと言う事になりました。
Y美とK子。隣のクラスだったRも一緒でした。
ジュースを片手に話していると、いきなり教師がやってきて。
私たちはそのまま職員室の前に並ばされてお説教を食らいました。
どうやら下級生が私たちが行くのを見ていて、教師に言いつけ、それで見付かったようでした。

余りにも下らない規則なので、全く反省する気もなく。
しばらく大人しく話を聞いていれば済むだろうと思っていました。
ところが。
立ち入り禁止の場所に行った事だけでは、済まない状態になってしまいました。

まず、K子が髪型のことで注意を受け始めました。
普段から、何かと教師に目をつけられていたK子がその日、たまたま編みこみをしていた事が原因でした。
髪が肩より長くなると、二つに結わくのが規則でした。
もっと長くなると、みつあみにしろと言われる事もありました。
大概の子は、学校帰りに髪の毛を解く為、後がつかないように緩く結わいたり編んだりしていました。
なのに、K子の編みこみは教師にとっては良からぬ事に見えたらしいのです。
生活指導の教師まで出てきて、
「きっと、帰りにほどいて、ウェーブにする気だ。」
と言いがかりをつけ始めました。
そして、勝手にそう決め付け、K子をひっぱって無理矢理水道で髪を濡らしました。
K子は泣きじゃくって物凄い抵抗をしていました。

次に、生活指導教師は、私の小さな何かを見つけては怒り始めました。
もう、この時点で、立ち入り禁止の場所に行ったとかは関係なく。
私たちは、それまで無関係だった生活指導の教師にを目の仇状態にされてしまいました。

理不尽さに腹を立てていたので、余りよく覚えてないのですが。
Y美はその生活指導教師が顧問の部活に所属していました。
RとK子は同じ部活で、やはり別の生活指導教師が顧問でした。
そういった事もあり、私たちは高3の受験と就職とを控えていた時期で、生活指導教師に目をつけられると今後の進路にすら、影響を及ぼす可能性がありました。
それは、特に罰則として謹慎とかという決まりを言われた訳ではなく。
なんとなく、それを匂わすような言葉を教師に言われたのです。

昼休み時間のみでお説教はとりあえず終りましたが、私たちは何とか教師の機嫌を取った方が良いと思いました。
放課後になりHRの後、今度は担任に廊下に並ばされ注意を受けました。
その際、やはり生活指導教師が物凄い怒っていると聞かされ、反省を見せろと言われました。
他の学校は知らないので、私の高校が特殊なのかもしれませんが。
学校の教師と言えど、会社と代わらず、生徒から見ても上下関係や派閥があるのがよく分かりました。
一般企業より私立の高校ということで閉鎖的だったせいか、それは余計に酷い状態に見えました。
時には教師同士のいじめすらあり、そういう事情を生徒が教師を介して知ってしまうという学校でした。

そんな職員室の中で私たちの担任は、まだ大学を出て二年目の新米男性教師で、他の教師に頭が上がらない状態でした。
生活指導教師であるR達の部活顧問の教師二人は、担任の母親より、もしかしたら上の年齢で。
当然、権力者状態の二人でした。
若いまだ20代前半の担任から思えば、やはりこの学校の校則はおかしいと思っていたようです。
でも、権力には逆らえないし、自分の生徒の進路に影響が出る事も避けたい。
だから、なんとか反省の色を見せてくれ。
担任の言い方は、そんな風に私たちには聞こえました。

担任がそこまで言うという事で、相当まずい状態なのだと感じました。
そこで、私たちは話し合い、放課後居残って反省文を書く事にしました。
一時間ほどかかって書き終え、私たちは生活指導教師に渡しにいきました。
でも、彼女のご機嫌は直りませんでした。
それどころか、口先だけで意味が無いというような事まで言われました。
なので、前もって考えてきた反省を示す方法を教師に言いました。
今後取り合えず一週間の間、毎日放課後残って反省文を書き、提出すると。
それに対して生活指導教師は、やっても意味が無いというような事を言いましたが、取り合えず私たちは反省文を続けることにしました。
もう、かなり意地になっていました。

正直、バイトがある私は居残りなんてしたら、遅刻してしまいます。
でも、自分が部活に入ってないから関係無いと抜ける訳にも行きません。
その日は木曜日でした。翌日の金曜も土曜も一時間ほど居残り、反省文を書きました。
すぐに書き上げては反省の色が無いと思われるので、一時間は必ず時間を潰しました。
その間、私はさっさと書き上げてK先輩のセーターを編んで時間を潰していました。

バイトには、いつもより一時間遅れると伝えました。
社員のTさんには嫌な顔をされましたが、仕方がありません。
翌週も居残りは続きました。
毎回、反省文を提出しに行っても、相変わらずご機嫌は直らず。
勝手に置いていけと言わんばかりに無視される状態が続きました。
私は、徐々に意味が無いような気になってきていました。

あまりにも気分が滅入ってしまった私は、どうしてもK先輩の声が聞きたくなりました。
大好きなK先輩の声を聞けば、少し前の幸せな気分の私に戻れる気がしたのです。
気持ちが弱くなると、K先輩の声が聞きたくなります。
でも、忙しいと言ってた先輩が早い時間に家に居る事は少ないと知っていました。
だから、余り期待してはいけないと自分に言い聞かせました。


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「恋愛履歴」 亞乃 [MAIL]

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