携帯電話でゲームをしていると メールを受信する一瞬だけ、その動きが止まることが多々あった。 その一瞬のうちに 「彼からのメールかもしれない」と期待していた。 期待は大抵落胆に変わったが それでもあたしはその一瞬の期待感が好きだった。 そんな、細かい部分にまで気をまわし 全身全霊で恋をしていた。 全ての事柄が彼につながり、 彼に全てをつなげようと いつでもあたしは「待ち」の状態であり続けた。 若かった。 何も見えなくなるくらい。 あたしは若かった。 だから、本当に何も見えていなかった。 さっき久しぶりにそのことを思い出して 心が震えた。 懐かしさと、愛おしさと、恐ろしさと・・・ とにかく色々な感情が混ざって 苦しい。
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