『esora vol.1』 小説現代特別編集�� - 2004年12月18日(土) ![]() 小説現代特別編集 エソラ [esora] Vol.1 2004.12 伊坂 幸太郎, 吉田 修一, 真鍋 昌平 他 新感覚雑誌として講談社から発売された小説現代特別編集『ESORA』。 小説4編と漫画5編が巧く配列されている。 普段漫画を読まない私だけど漫画の方もなかなか楽しめた点は付け加えておきたい。 なんといっても小説の目玉は伊坂幸太郎。 「魔王」、書き下ろし300枚の作品である。 今までの伊坂さんの作品とは一味違った内容でどちらかと言えば純文学風。 時代は今より数年後あとの日本。主人公は20代のサラリーマンでふとしたことから自分が念じた言葉を相手に喋らせる事が出来るという「腹話術」の能力に気が付く。 少し思索的過ぎる嫌いもある主人公であるが、伊坂氏のメスは鋭い。 得意の軽妙洒脱な会話の数々だけでなく、現代の政治のあり方、とりわけアメリカに対する外交政策に対する揶揄した表現が心地よい。 抑圧された状況に置かれた描写は吉田修一さんのメッセージ色の強い作品と似た感じだといえるかな。 ただ、今までの伊坂作品ほど読後感が良くないかもしれない。 評価8点 一方、吉田修一の「台北迷路」は台湾を舞台とした恋愛作品である。 こちらはいつもの吉田修一という感じであろうか。 付き合って1年経つぐらいのカップルが台北に旅行するのであるが、女の方が過去に台北に来た時に5日間案内してくれた男と邂逅する。 本当に5日間だけだったのかとか、恋愛中にありがちな悋気を男の方が起こすのであるが、ちょうどその男の気持ちが翻訳本として書店で並べられた自分の作品の日本語ではないので読解出来ない気持ちに巧く置き換え描写されているのである。 吉田氏の日常のひとコマを切り取った文章は定評のあるところである。 まるで絵空事じゃない(笑) でも少し短すぎるのが不満点かな。 評価7点 ...
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