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『不運な女神』 唯川恵 文藝春秋 - 2004年04月26日(月)

《bk1へ》
8篇からなる連作短編集である。
もちろん唯川さんの小説だから題材は恋愛。
各篇の主人公はいずれも女性で30〜40代。
“隣の芝生は青く見える”という言葉があるが、本作においてもある篇で平凡な姿で描写されていた人物が次の篇で大きな悩みを抱いているケースにお目にかかる。

本作における唯川さんの眼差しはとっても暖かく、読者に安らぎを提供してくれている。少し不器用であるがゆえにその人生に不幸に陥ってる各主人公。
しかしながら、各篇ともエンディングには心を開き前向きになっている主人公が覗え、意外と読後感も爽快な1冊となっている。
なぜなら女神たち(各主人公たち)は“不運”かもしれないが決して“不幸”ではないからだ。

男性読者の私でさえ心が打ちのめされながらも(笑)、頑張って生きて行く姿に胸を打たれた。
辛い“別れ”を体験して、より人間としてかつ女として成長して行く主人公たちにエールを送りたい。

著者の余裕を感じたのははたして私だけであろうか?
“恋愛の楽しさ”と“人生の厳しさ”の両方を知りたい方は是非手にとって欲しいと思う。

評価8点。    
2004年41冊目 (新作29冊目)


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