『そして夜は甦る』 原 �錙 .魯筌�ワ文庫 - 2003年08月20日(水) 古く壊れかけたブルーバードが愛車で両切りのピースを愛用している私立探偵沢崎が主人公のシリーズ第1弾です。 原さんは次作の『私が殺した少女』で直木賞を受賞されてますが、本作は“このミス88!”で2位にランクインした記念すべきデビュー作です。 なんといっても全体を通して“洒落た会話”を楽しめる所が嬉しい限りである。 比喩を多用した言い回しも読んで行くうちに慣れてきてまさに原ワールドに浸ってしまう。 もちろん、綿密なプロットも読ませてくれる。最後の最後まで目が離せないところはさすがと言えそうです。ラストの決め方も渋いですね。 作品の中に随所当時の時事的なニュース“阪神の優勝や、桑田の入団、千代の富士の活躍等”が登場して読んでいて懐かしい気がした。 内容的には、話が二転三転して“謎が謎を呼ぶパターン的展開が取られており”いずれもスキのない沢崎の探偵振りが発揮されてて驚かされつつも安心して読める1冊と言えそうですが、最近の同ジャンルの作品を読まれてる方には必須アイテムの“携帯電話やメール”が登場しないので物足りなく感じられるかもしれません。 あと登場人物リストがあるのですが、急展開と登場人物の多さにのすべての読者がついて行けるのかなあとは思いましたがみなさんはどうでしょうかね。 意外だったのはパートナーの渡辺がもっと登場するのかなあと思ってましたが、本当に脇役だった点かな(笑) 逆に沢崎と錦織警部との見事な会話の応酬はある意味で本作の強い個性を際立たせる効果をもたらせている点は見逃せない。 現代小説の風化は甚だしい。2〜3年たって文庫化される時点でも古く感じてしまうからだ。 そういう意味合いにおいて本作は決して最近の作品と比べて読むべき作品ではないと思う。 ひとつのスタイルを築き上げた名作として読むべき作品だ。 この作品が書かれた1985年当時の読者を思い出すだけでも懐かしく感じる。 あまりに懐かしくて、昔の友達に電話したりするきっかけとなるかもしれない(笑) 逆に、“リアルタイム”で読めなかったことが残念な気がした。 当時読めた人に対して嫉妬するのはそれほどこの作品が素晴らしくセンセーショナルだった事を証明してるような気がする。 今後はミステリー系ハードボイルド系の“古典的名作”として読み継がれることは間違いないでしょう。 ちょっと余談になるが、作中の都知事兄弟、○原兄弟に似てるような気がするのは私だけじゃないでしょうね。 評価8点 ...
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