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『貴船菊の白』 柴田よしき 新潮文庫 - 2003年02月01日(土)

柴田さんの文庫最新刊です。
京都在住の作家さんらしく、京都を舞台として繰り広げられる7編からなる短編集です。どれもが人間ドラマとして面白く読めました。

とにかく京都の風物(祇園祭や街の風景)が季節感をまじえて上手く織り交ぜられている。それぞれの話の展開も適度にミステリー要素をふまえ、引き込まれること間違いなし。過去を振り返るシーンがとっても人間の奥底に潜む悪意をいろんな形で描写しているなあと痛感しました。

舞台が京都だけにサスペンスフルだがしっとりと読ませてくれます。どの話もかなり胸を打つ内容ですよ。

柴田さんの作品のいいところはいつも“どんなふうに話を繋げていくのだろうというワクワク感を読者に持って読ませてくれる点”だと思います。
すべての話が恋愛を題材としていてる点も見逃せません。柴田さんの純粋な恋愛小説を読みたいと思ってるのも私だけじゃないはずです。(笑)

個人的に特に好きなのは「一夜飾りの町」と「幸せの方角」。見事な出来栄えです。女性の方が読まれたら「銀の孔雀」が1番という方が多いと思います。
未読の方是非お読みください。お買い得の1冊だと思います。新潮文庫です(^。^)

好きなフレーズ引用させていただきます。
“愚かでも、小さくても、つまらなくても。
生きることは、それだけで、素晴らしい。”


評価9点 オススメ


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