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それから数日たった放課後。不二はなんとなく練習風景を見てみようという気になって、テニスコートに立ち寄った。そこで、肘を打たれて立ちすくむ手塚の姿を見、手塚の叫ぶ声を聞いた。 翌日、入部届けを提出した不二がコートに現われたのを見て、手塚は何も言わずただ小さくこくりと頷いた。それはおそらく不二にしかわからなかっただろう。 突然入部を決めた理由について手塚は何も聞かなかったし、不二も言わなかった。理由は、ただ手塚がそこにいるというだけで充分で、それは誰に言う必要もないことだった。 ふと、不二は小さな頃に姉に読んでもらった絵本を思い出した。灯台の光に引き寄せられ、窓にぶつかって死んでしまう鳥の話だ。 (あれ、なんていう鳥だったかな…) 鳥の名は思い出せなかったが、不二は、自分がその鳥になったような気がした。手塚は今はまだ遠く小さな灯だが、近付くにつれその輝きは大きく強くなって、そして、いつか―
----- SUB:次は全国で もう大石から聞いてるだろうから詳しいことは書かないけど 勝利がこんなに嬉しいものだったって、初めて知ったよ 今は、ぜひ君と戦いたいと思ってるんだ もちろんその時は、僕が必ず勝ってみせるけどね
全国で君に会えるのを、楽しみにしてるよ
不二
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メールの送信を終えると、不二はそのままベッドに横になった。どっと疲れが押し寄せてきて、閉じた携帯を握ったまま目を閉じる。自分ではあまり意識していなかったが、全力でフルゲーム戦って、さらにその後病院に連れていかれたのだから当然かもしれない。 目の異常は幸い一時的なもので、問題ないという診断に一同胸をなで下ろしたものだ。パソコンや携帯メールの類いはしばらくやらないよう医者から注意されたし、実際小さな液晶画面を見ているとまだ辛いのだが、どうしてもこれだけは伝えたいと思った。 今の自分はもうただの小さな鳥ではない。灯に辿り着いたら、また次の灯を目指して飛んでいくだろう。
―それでも
不二は目を閉じたままくすりと笑った。 ―それでも、目指す灯はいつも君であってほしいんだ。
そのまま不二は眠りに落ちた。手の中の携帯が小さく震えるのにも気づかないまま、ただひたすら眠った。
END
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hidali
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