ちょっと討論!

2003年07月30日(水) 今回のセーフガード

インドシナ半島へ旅立つ前に久々にこのコラムも更新しておきます。
何やら政府が牛肉(冷生食品限定)にセーフガードを発動するようです。

そもそも、セーフガードと言うのは
国内産業を守るために、国際的に認められた行為。
中国のタオルや野菜なんかにも
発動されて話題になった関税ですね。
基本的に立場が有利な国は自由貿易を
尊重する手前好き勝手に関税を
上げてはいけないと言う決まりが存在します。
このセーフガードはその抜け道と言っても良い行為です。

日本は国内産業を守ると言う観念を押し出すお国柄なので
このセーフガードを連発させていますが、これにも決まりはあります。
輸入量が前年と比べて17%以上上がった場合、要するに急激な上昇が
起こった場合、緊急措置として発動されるのがセーフガードなのです。

今回何故これが問題になっているのか?
それはこのセーフガードが建前上でしか成り立っていないからです。

狂牛病(BSE)の国内発祥例が出て以来、
牛肉の消費は一斉に落ち込みました。これは日本の製品に限らず、
輸入牛肉にも大きく影響しました。順調に輸入量を増やしていた
外国製牛肉も売れ行きは大幅に落ち込み、当然輸入量は激減しました。
今回ようやくその減った分が伸びかけていたのですが、
そこで政府が待ったをかけたのです。最も輸入量が減った時点から
17%輸入量が伸びたと言う事で颯爽とセーフガードを発動したんですね。

普段日米貿易摩擦の話が出た際米国を批判しがちの私ですが、
今回ばかりは日本政府の対応がまずいと心底思います。
政府は特定産業に規制を加える事を良くしますが、
これが正しい事だとは全く思いません。

農林水産省の見解は分かります。国内の作り手を保護する事が、
後の世の繁栄につながり将来的に見れば消費者の利益になる…。
しかしあまりに守りすぎて育っていない環境が日本にはあります。
米にしても、野菜にしても、肉にしても、頑張っているのは
分かりますが海外の関税を加えた商品より高い。これは物価だけが
影響しているとは言えない気がしてなりません。勝負していないから
価格が高水準で安定してしまっているのではと思っています。

デフレスパイラルを回復させるための措置ならば良いのです。
しかしそれならば国内における全製品に一律同率の関税をかけるべき。
消費税の時もそうでしたが、「売れているから酒税増やそう」とか、
「日本の畜産業の人達可愛そうだから海外の牛肉高くしよう」とか、
そういう中途半端な措置は返って消費者の反感を買い景気の低迷を
長引かせると言う事を忘れてはいけません。当然こんな事は優秀な
ブレーンには分かっているはずです。しかしできない…。

政治がらみの話が出てくるとそうも言っていられないのでしょう。
自民党などは北海道を始め地方から多くの議員を輩出しています。
今人気取りをしておく事が総裁選後の衆議院選挙に影響を及ぼす。

だからこそなのですが、地方票と都市票の差を作るべきです。
もしこの政治がらみの負の連鎖を断ち切れないのであれば、
そうするしかありません。地方切捨てに聞こえるかもしれませんが、
都市部が国の根幹を支えているのであって、その都市が地方のために
食い破られるのは大黒柱を失う事に相当します。もし都市が崩壊すれば、
日本自体が沈む事になるのです。これは由々しき事態です…。

リニアモーターカーでも導入すれば、
ベットタウン的に都市から地方への流入も始まるでしょう。
そうすれば格差など作る事もなく、地方自治も活性化します。
しかし国土交通省の見解は全く逆、新幹線で十分でしょうです。
今経済を支えている都市間の移動にはそれで十分ですが、
新たな都市を作る事を考えれば日本海側へのアクセスをはじめ、
不便な地域の候補は挙がるはずです。例を出せば島根などですね。

東京から一時間半で東北や近畿、三陸からも通える。
そんな時代が来れば人が均等にばらけます。
そうすれば政治の理念もより反映されやすいものになります。
将来的なビジョンの話をするのであれば、農林水産省や
国土交通省が語る非現実的かつ夢のない案ではなく、
現実的かつ夢のあるプランを計画して欲しいと思うのです。

話が多少ずれましたが、ひとつの事をやるのであれば
それを中心に考え一気に推し進める。矛盾する事柄を同時に
行っている今では改革など進展しません。官僚の中に夢を
語れる人物はいないのでしょうか?現実とは厳しいものです。


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