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何か胸を突かれる。この人の真剣さに胸を打たれる。そして己を顧みて寒くなる。 少し間違ったかもしれないと思った。より近いのはこの人なのではないかと思った。己の中に在った遥か昔の記憶や感情をこの人は未だに持ち続けているのだと思って、それが酷く驚いて羨ましいような気分になった。 己を間違っていると思うわけではない。こういうことは時機というものがあってそれに上手く乗ると分からないままでも始まる。要するに真実好きかということはあまり関係ない時だってあるということではないだろうか。そう己は思う。 真実に好きだってどうやったら分かるのだろう。真実って一体何だ? 己にはまだ分からない。
彼を友人以上に思えないかもしれない。身体を重ねてそれでも溺れられなかったらそれはきっと恋ではないだろう。友人として付き合っている筈の彼女にさえ欲情する己なのだから。 関係を持ってしまったら離れられなくなるだろうか。そうして友人としての付き合いすら出来なくなってしまうだろうか。
己にはまだ彼よりも今の友人の方が大切なように思う。そして未来の友人も。納得して別れる術を今頃から考えている己はおかしいだろうか。酷いだろうか。溺れることが出来ないというのは恋ではないのだろうか。
あの場で断って苦しくならない己で在りたかった。
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