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[期待する]ことが罪悪なら、[期待させる]こともまた罪である。期待は失望を生む。より深い奈落が其処には在る。[期待するな]と云うのなら期待させるような言動をするな。貴方の呼吸も、手も、指も、膚も、髪の一筋さえも、この上ない苦痛なのだから。その口唇を塞いで吐息をも奪って閉じ込めてしまえたら、この苦さも痛みももどかしいくらいの愚かさも消すことが出来るだろうか。 それはある種の甘えだ。他人の所為にすることで己を正当化する。そうすることで何とか自分が生きている意味を見出そうとしている。否定されるのが怖いのだ。 己はもう何年も前から、ひょっとしたら十年以上も変わっていない。変化していない。それを怖がっているから。[固まるのが嫌だ]と誰かが云った。己もそうだ。でも同時に変わることも嫌だと思う。 人は変わらずにはいられないのだ。それは環境的な要因が大きい。閉鎖されない空間において変わらないでいることの方が難しい。なぜなら周囲は確実に変わっていくからだ。人は生まれ、生き、そして死ぬ。物もまた同じサイクルを辿る。永遠なるものは存在しえず、常に変化が求められる。その中において己も変わることを強いられる。
深い闇が其処には在る。闇は白い。何処までも白い。目の前を覆い尽くすそれに己の意識が塗りつぶされるのを感じる。 暗闇よりも恐ろしいのは光。
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