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何が最も怖いかと聞かれたら、それはきっと目が見えなくなること。
極度の人見知りだという自覚がある。そのことに甘えているということも判っている。 己にとって見えることは怖いことでもあり、それによって救われることもある。どちらも必要なのだろう。 見えなくなるということは片方の世界を失うということだ。目が見えないということは足が動かないということとは違う。思考の大半を占める文字と画像を遮断される。何も見えない。 見えないということは聴こえないということに等しく、見えないということは歩けないということに等しく、見えないということは生きていけないということにさえ等しく感じる。 真実はそんなものではないと分かっている。それでも恐れずにはいられない。怖くて怖くて堪らない。見えないということの恐怖。
でも見えなかったら何も見なくて済む、何も考えなくて済む。そう思ってしまう己が情けなくて、厭わしい。 一条の光は奈落への案内人だ。それは闇ではない。むしろ闇こそが己を暖かく包む。柔らかなその色で覆いつくしてくれる。闇こそが己を解放してくれる。 閃光に、一寸先も見えない。眩しすぎるその光が何もかもを消し去った。
抜け出せない無限。
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