不快な気分を引き摺って、浮上できないでいる。 貴女が軽くなるためだけに、他人を使わないで。 触れる口唇が貴方と違うことに、違和感すら覚えた。 貴方の乾いた口唇と己を翻弄する舌を思い出していた。 気持ち悪いなんて思わなかった。柔らかくて熱くて乾いていたから。 酷く鮮烈で淫ら、そのくせ曖昧で、純化されて綺麗だ。 己の稚さの記憶としていつまでも忘れられないだろう。