2005年02月15日(火) ありがとう



入院生活ってのは大変なものみたいですねぇ



まぁ、俺はギリギリ健康なもので、

まだ体験したことはないのですがね



ウチの父親が入院している時、

母親が毎日付き添っていたのですが、

病気の父より付き添いの母親の方が倒れちまいそうだった



その時、俺は働きながら予備校に通っていて、

実家に戻ることができなかったのですが、

昔からの付き合いのあるおばさん方や姉がちょくちょく顔を出し、

そんな母を支えてくれました



本当に感謝しております



実のところ、ウチの親、それまではちょっと険悪な仲でした

しょっちゅうケンカを繰り返し、やれ別居だの、やれ離婚だの、

高校生だった俺は頭を悩ませたものです



だけど、退院後はお互い歩み寄り、良い関係が続いています

きっとお互いが如何に自分にとって掛け替えの無いものなのか、

再確認できたのでは?



失いそうになった時、初めてその大切さに気付く

なんとも心許ないですが、そういうものなのかもしれませんね







彼女からこんな話を聞きました



彼女の病棟に末期の患者さんがいます

まぁ、珍しいことではないのですけど



ずっと入退院を繰り返し、

奥さんはその都度、付き添って世話してきたそうです



そんな中、先日、医者から、


 「近日中に亡くなってもおかしくない」


と、奥さんに告げられたそうで…



今まで、二人で一生懸命、身を粉にして頑張ってきたのに、

なんともやりきれない悲しい話です



そして、旦那さんは突然、奥さんにこれだけ告げたそうです、


 「今までありがとう」


とね



…きっと、多くの意味を持った『ありがとう』だったんでしょうね

また、本当の意味での『ありがとう』だったのだと思いますよ

その言葉以外では自分の気持ちを伝えることは出来なかったんでしょう



今まで何度も入退院を繰り返してきたが、

こんな風に言われたのは初めてだったと、

泣きながら、彼女にそう話したそうです



何が大切で、何が必要なのか?

何が幸せで、それをいつ気付けるのか?

色々考えさせられる話でした



その旦那さん、今でも静かにベッドで寝ているそうです



【ココで一句】

安息と 呼べる日々は 常日頃



何事も無い、だからこそ幸せなのかもしれませんね



お粗末です

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