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2002年04月23日(火)  電車

反対方向行きの電車に乗りました。素で間違えた。



小学生の頃、学校のスキー教室に行くのに2年連続で地下鉄乗り間違えたのを思い出しました。懐かしいとかあり得ない。

変わってないなぁ。



乗り間違えたときというのは、何となくそういう予感がして気付くのです。駅の並びに詳しくないときによくやるので、停車駅のアナウンスを聞いてもわからないのですよね。あのふと気になる瞬間。あれ。空気が違う。想像と違う。みたいな。

昔と違うのは、気付いてもあまり慌てなくなったところ。島型ホームで降りて向かいの電車に乗ればいい。最悪、お金を払えば何とかなる。いくらでも戻る事ができるのを知っているから。

目的地にいけないかもしれない。果たして家に帰れるんだろうか。必死で方法を探す。あの緊張感や焦燥は、もう味わえないのです。電車を乗り間違えたくらいでは。

本を読んだり映画を観たりして、それを味わったような気になる。仮想体験。現実に起こるそれに、少しでも冷静に対応する為に。麻痺させておいてショックを減らす為に。

昔と違うのは、本当に家に帰れなくなるところ。帰る場所がなくなってしまうところ。むしろ帰る場所なんて初めから無かったのだ、と。電車の乗り換えがうまく出来るようになった代わりに。

乗り換えと同じくらい簡単なこと、と言えるようになる頃には、また新しい不安と出会っていて。そこまで辿り着けるかさえも不確かだけど。

変わらないなぁ。

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