014・謎

 
「‥謎の部屋のガードマンは?」

 アルに言われてサーマスもはっと気付く。自分達が隠れていた時、カバーの隙間から見えたのは、マントの男と年配の男のものだと思われる靴だけだ。怪しい二人が出て行った後、その二人がいた部屋の入ったがその時はもう誰の姿もなかった‥。

「二人そろって見逃してたなんて事は考えにくい。‥隠し扉でもあってそこから出て行ったのかもしれないな」
「そういえばあのあやしげな部屋はあんまり調べなかったし‥あの部屋にならかくし扉くらいあったっておかしくないよね‥」

 そう、神妙な顔をして話すアルを見てにやりと笑い、

「‥あいつ人間じゃなかったりしてな」

 と、声をひそめてからかう。案の定アルは息を飲んで、心底嫌そうな顔をして叫ぶ様に言う。

「やめてよぅ〜!!もしそうだとしたらなんかますますあのマントの人がぁ〜」
「マントの男が?何だよ、心当たりがある様なこと言ってたけど、一体誰に似てるっていうんだ?」

 気になってアルを問いつめると "う‥" と口ごもって俯く。
上目使いで、うかがう様にサーマスの顔を見た。

「ど〜〜〜〜〜っしても聞きたい?」

 今度はサーマスが脅かされる番だった。ただならぬ(?)アルの雰囲気に多少引き気味になる。

「な‥何だよ、気持ち悪い奴だな!!言えよ!気になるだろ!!」
「う‥わかった‥実はね‥」

 重い口を開き、アルは話し出した。‥思い出すのも嫌そうに、スワッツヴェルダーと名乗ったヴァンパイアの事を−−−−−。
話を聞いている内にサーマスまでが、うんざりだと言う様に表情を引きつらせた。

「本当(マジ)かよ‥あのマントの男がそのヴァンパイアだってのか?」
「似てるってだけだけどね‥それも声しか聞いてないし‥」
「この場合確証が無いってのが唯一の救いだな‥。でも、もし、そうだとすると‥」
「そうだとすると‥って、何?どうしたの?」
「落ち着いて聞けよ‥もし、そうだとすると、オレが感知した魔力の事も説明が付く」

 謎の部屋のソファに触れた自分の手を、汚らわしい物の様に見た。

「黒魔術には違い無いが‥あんな薄っ気味の悪い感覚は初めてだったぜ。纏わり付いてくる様な‥なまあたたかい、ドロドロした血溜りに手を付いたの様な‥とにかく嫌な感じだった」

 しぃん‥とした静寂が部屋の空間を支配していく。

「まさか‥な」
「まさか‥ね‥」

 思いがけず辿り着いてしまった最悪の予想に、二人顔を見合わせたまま、ははは‥と力無い引きつり笑いを浮かべる。
ふと、時計が目に入った。

「そろそろ約束の時間だな‥行くか」
「そ‥そうだね!!そうしよ!!もうお腹ぺこぺこだよ−−」

 ムリヤリ元気づいたアルがそう言って二人同時に立ち上がると、アルのお腹がタイミングよく "ぐう〜〜" と鳴った。
ちょっと赤くなったアルが「えへへ」とテレて笑い、サーマスが溜息を吐いたのは12時丁度の頃だった。



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コメント。
4Pにわたってお子様コンビ書けてしあわせでございます。でもたいして進展しなくってごめんなはひ〜。次はラインツ出して〜!!
都大路しろくま。


 2007年07月11日(水)
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