011・Who are you?(2)

 
 時計を眺めて溜息を吐く男が一人。約束の時間近くになっても部屋に帰って来ない友人を待っている。
スケッチをしていて時間が経つのを忘れているのか、直接、円塔へ行ったのか?
それならまだいいのだが。まだ外に居るのなら呼びに行った方がいいかもしれない。
 コートを手に取り外へ出る。部屋もそうだが廊下やエレベーター内も豪華な装飾を施してある。ロビーから中庭へ足を運ぶと、目の前には放射状に広がる花壇と植え込みが目に入る。中央の噴水の所までやって来て、ホテル館を見てみる。美しく、優雅でありながら、雄々しい一面を覗かせる。父がここに来たかった理由が今分った。
 アンゲルブルク城に行くと言った時、”行く気が無いなら譲れ”と言われ、”オペラ好きだった?”と聞き返したら、

”バカ者、オペラなどどーでもいいんだ。その城の外装や内装が素晴らしいと、聞いたからにはこの目でじっくりと見てみたいんだ!!”

 と、力説する父に一言”嫌です”と言って自分の家に戻ったのだ。
今思うとカワイソウな事をしたなと思うが、いつも父の我が侭に付き合っているので今回はまあいいか、と思う事にした。
オペラを観るより、ホテル内を見て回ってじっくりとその作りを研究するのも悪く無いなー、などと考えている。彼もまた、父や祖父(建築家)と同じ血が流れているのだろう、そんな事を考え込んでいたが、フっとここに来た目的を思い出す。
ピエトロを捜しに来たのに何を考えているんだ?と自分自身に言い聞かせ、彼を捜し始める。
 噴水から離れ、円塔の方へ来た時、倒れている、人物らしきものを発見する。良く見るとそれは見なれた服装で、少し離れた所にカバンが落ちている。
ジェイムスは駆け寄り、彼と確かめるとすぐに容態のチェックをする。医学の心得があるのか、手早くチェックし終えると、彼の頬を軽く叩く。「うっ」と声を上げるものの目を醒ます様子がない。仕方が無いので自分のコートを脱ぎ、彼を包み込む様にコートをかけると、カバンとピエトロを抱き上げた。



 部屋に着くとベッドに横たえて様子を見る。

(何故あんな所で倒れていたのか判らない。何かあったのだろうか?)

 何気なく見たピエトロの手に、白い羽が握られていた。ジェイムスは手を伸ばし羽に触れようとした時、ピエトロが目を開けた。

「気が付いたか?」

 彼の顔を覗き込み、宙ぶらりんになってしまった手で、額に掛かった前髪をかき上げてやる。

「僕‥どうしてここに?確か外にいたはず‥」

 ピエトロは不思議そうにジェイムスの顔を見詰める。

「私が来た時には倒れていたぞ」

 と答えてやると、驚いた顔をした。が、フと呟く。

「あの時から気を失っていたのか‥」

 と。事情が分からないジェイムスはピエトロに説明する様に言う。ピエトロは自分の身に起こった事を彼に話し始めた。



 話を聞いて納得したのかジェイムスは

「それでその白い羽を持っているのか?」

 とピエトロに聞くと彼は”えっ?!”といった表情で手にした白い羽を見る。いつの間に握ったのだろう?覚えていない‥‥。
じっと羽を見ていたがなにやら思い出したのか、顔を上げて

「彼女の名前を聞いたんだ‥」
「‥?首の無い少女の霊のか?どうやって言ったんだ?」
「直接頭の中に響いたんだ。綺麗な声だったけど‥」
「けど‥なんだ」

 と、聞き返したがしばらく返事が無く、考え込んでいる。そして、 

「ごめん、忘れちゃった‥‥!!」

 と言う答えが返って来た。ジェイムスは頭を抱えてしまう。
ピエトロは「思い出したら教えるから‥ね」と言うしかなかった。



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コメント。
ピエトロ編。思いついたので書いてしまいました。くだらない事を長々と書いて‥反省してます。
この続き書く身にもなれ!! と言われそーだが、それも運命と思ってあきらめな!フハハハハハハ(考えすぎて壊れたらしい‥‥)
八神楓。


 2007年03月14日(水)
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