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009・2つの探検(1)
『カチリ』と小さな音がした。「サーマスくん、開いたよ」少し声を潜めたアルの呼び掛けに、サーマスは拾った羽を手にしたままドアに向かった。
「こういう事はさすがだな。簡単に開けちまうんだから」 「えへへ、たいしたもんでしょー?‥あれ?サーマスくんなに?その羽?」
サーマスは白い羽の軸を持ち、くるくると回してもて遊びながら、
「さあね、ただ、この部屋にありそうも無い品だろ?なんかの手がかりになるかもしれないし、拾っておいたんだ。‥それより、先に行ってみようぜ
羽を、ズボンのポケットにしまう。ポケットには入り切らないがジャケットで隠れるので目立つ事無く持ち歩けそうだ。そしてーー ドアのノブに手をかけ音をなるべく立てない様にゆっくりとノブ回す。 2人一緒に、ドアの向こうを覗き込むと、短い通路が見えた。
「アル、お前年上なんだから先行けよ」
サーマスがアルの背中をつつく。
「えーーーっっ!‥別にいいけど、こんな時だけ年上あつかいするんだもん‥」 「ぶつぶつ言ってないで早く行けよ」 「‥わかった、それじゃ!ちゃーんとぼくの後ついてくるんだよサーマスくん!」
そう言うと、急に、嬉しそうで楽しそうな笑顔で、ちょっと偉そうに前を歩き始めた。その後ろを歩きながらサーマスは呆れ顔で目を細め、
「いきなり年上ぶってんじゃねーよ‥」
と溜息混じりにつぶやいた。 2人が進んで行く通路は薄暗く、端には部屋に入り切らなかった大道具などが置かれていて、殆ど一方通行だった。
「つきあたりにまたドアがあるみたい‥どうしようかサーマスくん?」 「カギが掛かって無きゃ楽なンだけど‥‥‥‥!!」
そこまで言って、サーマスは息を飲んだ。 急に、だが、静かに、その突き当たりのドアがゆっくり開かれようとしている‥!
「サーマスくん!!こっち!!」
アルが咄嗟に、サーマスの腕を掴んで、端の大道具の中に潜り込んだ。そこはカーテンの様なカバーを掛けられた机の下だった。
つづく。 ------------------- 都大路しろくま。
2007年01月30日(火)
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