007・疑惑

 
 挨拶を終えたラインツに歓声をあげる女性陣と周りの客人達、一方男性陣は『お願いだからやめてくれ』である。本人は気にしていないかもしれないが、された方が照れるのだ‥‥。

「で、何をもめてるんだ?」

 ラインツが尋ねると、

「いつものだよ。部屋割りでね」

 ピエトロが答えると、あーそーと言う様な顔で頷いた。
ブーイングを出している者もいたが、結局あっさりと決まった。
フランシスとユキ(当然ミシャエルは旦那さんと一緒なので除外)、ジェイムスとピエトロ、そしてアルとサーマス。
決まった事とはいえ少々不満なのはアルだ。先程サーマスに『誰が大親友だよ!』と言われたばかりだ。サーマスは気にする事無く、

「部屋はこちだから」

 と言い終えるとさっさと歩き出していく。言われたアルはボケっとしたままだったが、慌てて走り出していく。
 その後を歩いていく中、ピエトロがラインツに、

「変った事は無い?」

 と聞いて来る。焦ったのはラインツだ。内心『ど、どーしてそんな事を聞くんだー!まさか霊感で判ったとか!!』と思ったものの、ピエトロは、

「船の中で話を聞いたから、ね、ジェイ」

 とジェイムスに振る。彼の台詞を引き継ぎ、

「ああ、このホテルに劣らない程の城が昔建っていたそーだが、火災にあった後取り壊されたと言っていたが。何か聞いているか?ラインツ」

 問われたラインツは、

「いや、詳しい事は‥‥土台しか残って無かった所に建てたとしか聞いて無いけど‥」

 平静を装っているものの少々狼狽している。本業に集中したいのは当然だが、彼等に楽しんでもらいたい気持ちがある。なのにハンターの仕事で潰されては埋め合わせ名目丸潰れだ。
しかし彼の心配を他所に二人は、

「久に振りにラインツのオペラ観られるから、楽しみだよ」

 と、二人の会話が聞こえて来る。
ラインツは昨夜の事を頭から追い出し、彼等を部屋へ案内した。
7階、並びに取ったハズが一室離れているのに気付いたが、今更変更するのも面倒だと言う意見が出たので、そのままにしておく事にした。
内訳は、700号室にミシャエル夫婦、701号室にフランシスとユキ。702号室にアルとサーマス、709号室にジェイムスとピエトロとなった。
 昼食時に会う事を約束し、その場でラインツと別れ、各自部屋で寛ぐ事にした。しかしアルだけは寛ぐ事など出来無かった。
ラウンジでユキが言った事が気になったので、サーマスに聞いてみた。
サーマスは一瞬迷ったが、

「いいよ話してあげるよ」

 と、アルに昨夜の事話始めた。

「え!そんな事があったの。ぼくも見たいな、その首のない少女の幽霊」
「今から行ってみないか?出るか判らないけど」
「でもそこ、関係者以外入っちゃだめってラインツさんに言われたんじゃ‥」
「見つかったら、このホテルの中を探検してるんだって言えばいいだろ」
「それもそーだね。行こう!」

 二人は部屋を出て、探検(?)し始めた。

「ここで見たんだ。あの城壁の上にいたんだ」

 と指をさしながらアルに教える。

「ここからだと調べられないよ。開かないかなここ?」

 アルは窓を開けようとするが、鉤が高い位置に付いているらしく、手が届かない。
彼が何をしようとするのかが分ったサーマスが『呆れたやつだな』と呟くと同時に、怒鳴り声が聞こえた。
その声の主が二人に近付くと

「何をしてるんだ?ここは関係者以外は立ち入り禁止だぞ」

 男は二人を睨み付ける。

「ごめなさい。この中探検してたら迷って、ここに来たんです」

 疑いの眼差しで見ていたが「さあ早く出ていくんだ」と追い立てられる二人。
だが、サーマスが

「おじさん、首のない少女の幽霊、見た事ある?」



-------------------
コメント。
今回は本当に難産でした。続きも考えてありましたが、4P使って書くのも進展しなければ意味が無いのでやめました。こんな終り方で続き書くのは嫌かもしれないけど、がんばってくれー!!
八神楓。


 2007年01月17日(水)
INDEXまえつぎキャラ    neco介 |MAIL