003・出発‥その前に!

 
「そろそろ行くか‥」
 男は煙草の火を消し、歩き出した。

 その頃ジェイムスの家では、ピエトロ、アル、フランシスが身支度を整えて彼の帰りを待っていた。

「遅いですねー。何してるのかなー」

 と心配(?)するアル。

「まだ時間あるんだから、心配するな。ちゃんと戻ってくるよ」

 アルを諭すようにピエトロが言うと、

「だってー、ジェイムスさんに会ってないんだもん。ぼくがせっかく来てあげてるのにー」

 プッと頬をふくらませて文句を言う。
それが嫌なんじゃないの、と思っても口には出さないピエトロだ。
そんな遣り取りをしている中、当の本人が帰って来た。

「ただいま。準備は出来たか?」

 三人を見回しながら言うと、アルが

「ジェイムスさーん」

 と飛びつこうとする。しかし、ジェイムスは敏捷力をいかし避けると、「わーあー!!」とアルはその勢いで転けそうになる。が、襟首を掴まれていて、怪我をせずにすんだ。

「く、くるしーいですジェイムスさーん‥」
「飛びつこおとするからだ。お前は幼児か?」

 襟首を放し睨みつける。

「だってー‥」

 縮こまって反論するが、

「戸締まりの方は大丈夫ですか、フランシス」
「はい大丈夫でーす」

 無視されたよおだ。

「ピエトロ、二階は?」
「大丈夫。みんな確認したから」
「アルお前の部屋(屋根裏)は?」
「大丈夫ですよ!!」
「本当か?」
「あ、信じてないでしょー!」

 またもやアルがプッと頬をふくらませた時、ジェイムスの足元で猫のブロックがニャーニャーと鳴いている。

「どおしたブロック?何かあったのか」

 ジェイムスがブロックを抱き上げて聞くと、ブロックは彼の腕から飛びおり、二階へ駆けあがり、そこでまたニャーニャーと鳴き声をあげる。ジェイムスは何かあったと確信すると、二階へあがって行く。アルも気になり後をおう。
ブロックが鳴いている上を見ると、屋根裏からガリガリと音が聞こえる。ジェイムスは蓋を開け階段をおろす。

「な、なにかいるのかな?」

 アルが怖ごわ聞いてくる。

「知らん。お前ちゃんと見て閉めたか?ほら、見てこい!」
「えーぼくですかー!!」
「とーぜんだ。お前の部屋だ!」
「わかりました‥」

 しぶしぶ階段を登ると上から黒い塊がアルの顔を踏み付けて行った。

「な、なに?」

 アルはすっとんきょおな声を上げる。その黒い塊はジェイムスの腕の中で丸まっている。

「なんだ、ブラディーか。顔ふみつけて失礼なヤツだ」
「窓、閉めてあるか見てこい。早く」

 急かされて見に行き、鉤がかかってないことを発見!鉤をちゃんと閉めて戻ってくると、急いで戸締まりをし、タクシーを拾う。ジェイムスは、

「急いでくれ、時間がないんだ」

 運転手に睨みをきかせて言うと、

「わ、わかりました」

 猛スピードで発車し、ロンドンを後にした。



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コメント。
お前ら早く出発しろよ、と思いつつながながと家の中を書いてしまって‥ゴメン!次は到着してるかな?
八神楓。


 2006年11月15日(水)
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