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002・ジェイムスの憂鬱
12月の初めに、ラインツから包みが届いた。ああ、この間話てたオペラのチケットだな、と思いジェイムスはその包みを開けてみた。
「何だコレは」
思わず声にする。そしてそれは溜息に変った。中にはチケットが6枚入っていた。‥‥数日前のピエトロとの会話を思い出す。
『もしもし、ピエトロです。忙しい時間にごめん。ジェイの所にラインツから連絡あった?』 「いや」 『そっか‥もう12月になるって言うのに‥‥。もしかしてチケット、そっちに送られるかな、と思ったんだけど‥』 「そう言えば12月の何日、とは言って無かったな。気になるなら劇場に問い合わせてみたらどうだ」 『い、いや、いいよ。ただ何となく、そう思っただけだし‥。また連絡するよ。じゃあ切るね』
ー再びジェイムスは嘆息した。ピエトロの感があたったか、それとも付き合いか‥。どちらにしろ、面倒が増えたな。
「フランシス。申し訳ありませんが、連絡を頼まれてくれませんか」
と、彼女の方に向き直って声を掛ける。
「はい。私も連れて行ってもらう身ですから、これくらいのお手伝いは」
そう言って、にこにことチケットと手紙をかわるがわる見ながら、フランシスはうきうきで、電話のある部屋へ向かった。よほど楽しみにしているらしい。 そして数分後、ジェイムスは三度目の嘆息をする事となる。
ーオペラ公演を三日後に控えて。 ピンポーン。呼び鈴が鳴り、扉が開く。
「こんにちはー!! ぼく来ましたよージェイムスさ〜ん!」
元気よくアルが入って来る。それを出迎えたのは、のんびりした声だった。
「やあ、相変わらず元気だな」 「あっピエトロさんも来てたんですか?! 」 「僕も今着いたばかりだよ」 「くそーっぼくが一番のりだと思ったのにー!! あれ〜?ジェイムスさんは?」
アルは一喜一憂しながら、ジェイムスの家の中をウロウロと、家主の姿を捜しながら、しゃべっている。ピエトロはとりあえず、アルを目で追うだけにしていた。 体力があまり無いピエトロは一々ついて行ったのでは先に参ってしまう。
「あっねー、もしかしてサーマス君達も来てるの?そしたらぼく最下位?? いやー!くやしすぎる〜!!」
結局、誰も見つからなかった。あきらめてアルはいつものソファに座る。
「ジェイムスさん出かけてるんですか?せっかく来たのにー!」
アルはむくれながらも、フランシスが出してくれたクッキーをほおばっている。 フランシスはそんなアルを、微笑ましく思いながら、
「サーマス君達とは、向こうで落ち合う事になってるのよ」
と言い、それからドアの側でぼんやりしているピエトロの方に寄り、そっと耳打ちで伝言を伝える。
「ジェイムスさんは近くの公園で時間を潰してるそうよ。出発の10分前には戻って来るからって。あと一時間くらいね」
と言いながら、何やらクスクスと笑っているので、ピエトロは理由を尋ねてみた。
「チケットが届いたって連絡した時にね、アルちゃんがこっちに寄るって聞かなくて、『行くーーー!』『来んでいい!』のいつものやり取り。結局ジェイムスさんが溜息を吐くんだけど。ウフ、何かそう言うやり取りを最近、少しは楽しんでるじゃないかな、って思えて。雰囲気も大分変って来たしネ」
少し微笑んで言う。そんな彼女の横顔を見ながら、ジェイムスの事が本当に好きなんだな、とピエトロは思う。 しかし、アルには来るなって言っておいて、僕には来いだなんて。僕ってそんなに信用ないのかなぁ。いやまて、もしかしてアルのお守を押し付ける為に呼んだのだろうか? どちらの理由にしろ、ピエトロはふてくされ気味に押し黙った。
公園のベンチに一つの人陰と、一筋の立ち上る紫煙。その男の腕時計は、彼が出発する時間を指していた。
---------------------- コメント。 書き出しは良かったんだけど、結局期限きっちり使ってしまった‥う〜ん乱文ごめ〜ん!!(汗笑)次よろしくv 五条ねこ介。(原文からちょっと改稿しました)
2006年11月08日(水)
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