ジンジャーエール湖畔・於
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| 2003年10月08日(水) |
魔風恋風、そよそよと |
去年の映画『千年女優』をみて目がさめる想いのカオです。 すごくいい。 主人公・千代子が初恋の殿方を追いかけて追いかけて、 満州、戦国時代、江戸時代、お姫様から女忍者、花魁と次々と姿を変え、 現実と映画を飛び越え時空をとびこえて 出演作品のなかでひたすら「あの人」を追いかける姿に打たれる。 ロケットに乗って月まで行ってしまうラストが特にいい。 「一度しか会ったことのない初恋の殿方に会いたい」 というモチベーション一点のみで物語が成立してるところがすごい。 女学生の時たった一度しか会ったことのない男の人に恋をして、 彼に会うため女優になり死ぬまでまっとうするなんて、 あまりに現実離れしているんだけど、 映画では、それもアニメならでは成立させることができる。 最終的には、恋愛以上のなにかを主人公は追いかけているような気がする。 平沢進の音楽もスペーシーで最高。サントラほしい。
このまえ飲みの席で「自分が話すよりも聞き上手たれ」みたい話が出た。 私は銀杏食べながら、ボケとツッコミの関係に似ているなーと思った。 芸人に限らず、一般人どうしでも人間3人寄らば 会話に必ずボケ役とツッコミ役が意識せずとも生まれてくると思う。 たとえは、ボケ役が適当に発した言葉でも、ツッコミの人がそれをあえて指摘することで 会話に笑いが生まれている。つまりツッコミが入ることで笑いが立ち上がっているんだ。 でもその功績は、ツッコミの人に「ナイスツッコミ!」となるのではなく、 無能なボケの方がなにかをやらかしたような錯覚をおこして、周囲の人は「もーこの人天然!」みたいな 間違った捉え方をしている場合がある。 そういう場面に立ち会うとすごく歯がゆい。 あぁん、もう。本当に面白いこと言ったのはツッコミなのに!と思った。 笑いを生んだのはコッチですよ!といいたい。 話し上手っていうのも、きっと表面的にはその人が盛り上げているけれど 実際その盛り上がりは聞き上手あってのことという影の功労者という意味で ボケツッコミと関係性が似ている気がする。
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