ジンジャーエール湖畔・於
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2002年10月06日(日) スローモーションでみせようか?

 



女の子の心を胸に挿した男の子がそのまま大きくなったような男の人、惚れオ。
 ローテク・ロマンチカなんだよ、彼。そんでちょいと変態なんだ。
 あんたのこと考える時、絶対キモチワルイんだ。
 「輝く街を二人で」とか「観覧車乗りたいわ」とか「片想いの神がここに降りて」とか
 「眼鏡をはずして頂戴」とか「貴方を産んだママってウルトラC」とか
 「貴方の眼に網膜にわたしがうつるこの瞬きがスーヴニ−ル」そんな言葉モクモク吐き散らすのよ、わたし。
 なんつーか、悪魔憑き?みたく。キツネ憑き?みたく。ペラペラと。壊れたテープレコーダーのように。



 もー、勘弁して。


 
 レストランで惚れオがスプーンですくった人魚の泪。
 嘘。コンソメスープです。

 夜の公園で惚れオが朗々と歌い上げたカンツォーネ。
 嘘。でたらめの鼻歌。

 惚れオの肌に美しくきらきら輝いていたラメ。
 嘘。汗かいたんだ。

 宇宙からのメッセージ受信したという印、惚れオのウィンク。
 嘘。まぶたが痙攣。 




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 きっとあと二ヶ月後か、すくなくとも来年にはすっかり忘れてるんだろうなあと思いつつ。
 わたしっていつもこうなんだ。
 惚れオはもともとわたしにとってスーパージーニアス、その男がある日現実に現われて、
 「踊ろよベイビ、迎えにきたぜ」、てバイクに跨がって言ったんだ。
 はじめて本屋で惚れオをみつけた時からわたしは「この男に恋しよう」と思った。
 もちろんスーパージーニアスでしかもローテク・ロマンティカな惚れオが
  ふつうの男っていうのは本当はもう知ってる。
 てゆーかふつうの男以外の男なんてこの世に存在しないんだ。
 アインシュタインも、モーツアルトも、ゲーテも、ふつうの男。
 わたしはその「ふつうの男」を愛せないんだ。
 だから絶対に報われない。永遠の片想いをしている。
 どんなにオシャレしても綺麗にしても、片想いをしつづけるんだ。
 わたしのキューティクルは永遠に失恋しつづけるの。
 細胞レベルで失恋するんだ。
 救ってくれるのは、きっとエイリアン。
 





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