ジンジャーエール湖畔・於
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2002年09月10日(火) 尾道だ、まちがえるなよ、尿道と

 

尾道の人はみんなとっても優しくて親切
 どのくらいイイ人かというと
 道あるいてると、どこ行くのー、と話しかけてきて
 別に道きいてないのに教えようとしてきます
 しかもそれでまちがっていたりします 

 宿のおばさんもいい人
 でもおばさんのすすめる店とか場所にいくと
 必ず同じ宿に泊まっているアベックに遭ってしまうのが
 気まずいやら可笑しいやら
 きっとお客さんみんなに同じとこ勧めてるのでしょう


 「喫茶・占い400円」とかいてあった民家があって入ってみたら
 じーさんでてきて占いとはいえない妙な人生訓みたいの
 一方的にアドヴァイスされる
 部屋一面に手書きの相田みつをみたいな言葉がはりつけてあった
 変なカードだしてきて一枚ひかされ、出たカードが
 ”インナーハピネス”っていうやつ
 じーさんいわく、わたしは
 「もっと映画みたり涙の物語みた方がよい」そう
 「涙をながすことは恥ずかしいことではない」そう
 「君には刺激が必要だ」そう
 「夢を持った方がいい」そう
 占いじゃない

 友達は”ウォーター”ひいて、開口一番
 「去年別れた彼とはいつ頃?」と
 ズバリと言い当てられ・・・もせず
 (じーさんは『どうだ!当たってるだろ』って感じだった)
 「別れてませんけど・・・」
 いったら、トンチンカンな前言を気にもせで
 「何年くらいつき合ってるの?」とか「結婚は考えてるの?」とか云ってた
 結局、こっちに聞いてるんジャン!て感じ
 占いじゃない
 「志しとして2500円もらえれば、友人として(?)
 1人1500円でここに泊まることができます。」とも云われる 
 友人としてってなに?


 ★



 夜、新開という町のバーに行きました
 遊廓というか赤線だかそういう町だったらしく
 建物がその面影を残しています
 尾道でここを知らないのはもぐりといわれるバー・暁
 洋酒の数や訪れた有名人の数はハンパじゃないです
 うちの大学の総長まできていたのにはビックリした
 マスターはラーメン大好き小池さん似
 ここでも見たいっていってないのに
 店のことが載った雑誌やら小説やら付箋やら棒線やら
 みせられる
 「Pen」とかそういうオトナの男性雑誌や、片岡義男の小説の
 『三十代後半の、しかし若くみえるマスターが・・・』
 ってとこに強く線がひいてあって、友達と笑った、こっそり


 お客のサラリーマン2人とちょっと飲んだけど
 全然厭な感じじゃなかった
 普通こういうとこで声かけてくる奴なんて退屈なのにね
 旅先のせいか 尾道の人のよさか
 状況劇場の話しとか稲垣足穂の話しなんて
 したんだぜ?
 そんな会話飲み屋ででるのありえなくねー?
 今度東京に転勤だからといって又会う約束したけど
 もう会わないでおこ


 ★
 

 旅館の門限ギリギリに帰って

 歯ァみがいて蒲団に飛び込む

 酔っぱらってるのでいつまでも同じギャグで笑い続ける

 

 「無理!リ−ム−!」

 ぎゃっはははっ☆

 「フェリー乗る!ブライアン・フェリー!」

 ぷっくっっくぅ〜〜〜っ☆

 「去年の彼と別れたのはいつ?(占いのじーさんの真似)」

 がっはははっっ☆



 早く寝れ!

 なんて言わないで

 わたしたちは硝子の粒

 ケラケラといつまでも笑い転げていいじゃない

 ユラユラといつまでも踊りつづけていいじゃない
 
 フラフラといつまでも調子はずれに歌っていいじゃない 
 
 「リ−ム−!」「リーム−!」

 「みて!お腹チョ−でてる」「やべーよニキビ潰れた」

 「無理!」「リ−ム−!」

 「中国人みたくね?」「リ・ム−氏とか?」

 「李さんの餃子!」「去年の彼と別れたのは・・・」


 きゃはははは

 あはははは

 いいじゃない うるさくしたって

 ちょっとぐらい 騒いだって

 調子こいたって 許してよ


 わたしたちは今 とっても輝いてて

 髪の毛の先から爪までもキレイなうすみどり色

 クランベリーフィズの中に浮かぶマスカットみたく

 きっと甘酸っぱいよ  

 99回目の「リ−ム−」でようやく笑い疲れて

 やがては深く眠りにおちていく

 そして憂鬱な朝を迎えるんです


cottonkyaori |MAIL