KENの日記
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2019年05月10日(金) 東京国立博物館の美術展

上野の東京国立博物館で開催されている「美を紡ぐ 日本美術の名品」展を見てきました。大型連休明けで空いているのではないかという発想だったのですが、美術館・博物館の集中している上野は相変わらずの混雑でしたが、連休中よりは観客は少なかったのではいでしょうか。比較的順調に観て回ることができました。

今回の美術展は、日本の美術品の保存・修復の伝承方法を紹介しながら、日本のそれぞれの有力者層の中で脈々と受け継がれてきた国宝級の美術作品の展示が可能となりました。宮内庁三の尚蔵館収蔵品も多く、「令和の時代」の最初を飾る展覧会とし大変魅力的なものとなっていたと思います。

奈良時代・平安時代以来の王朝文化においては皇室の貢献は大変の重要なものだったと思います。特に現在の皇室でも続いている「和歌」の世界では皇室・貴族が正しく中心的な役割を果たしていました。和歌は万葉集に始まる数々の和歌集、和歌の基礎となる「書道」の発展、絵巻物の表現される物語の世界というように大変幅広い文化となっていました。万葉集から採られた「令和」の時代に入ったことは、和歌のブーム再来の様相も呈しています。

絵画は天皇・貴族の王朝文化に代わって花開いた「武家文化」において、大変逞しく且つ厳しく発展したのだと思います。「武家社会上層部」においては「力強さ、豪華さ」を極めるとともに、「茶道・水墨画」などの「詫び寂び文化」も極められました。江戸時代には社会の安定もあって、日本の武家文化・王朝文化の伝統の総括的整理の努力もなされました。

そして近代の明治・大正を迎え、この5月から「令和」の時代になったところです。貴族制度の無い現代で「和歌」の伝統を受け継いでいるのは皇室だけではないでしょうか。更に文化芸術の重要なパトロンであった皇室は、日本国憲法下においては国民の象徴としての「天皇」を支える家族として位置づけられました。皇室が過去果たしてきた様な大きな役割は、経済的にも文化的にも非常に難しいものとなってきたと思います。




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