2018年05月23日(水) |
三浦謙司さんのピアノリサイタル |
河合楽器の株主優待コンサートである「三浦謙司さん」のピアノリサイタルを渋谷区文化総合センタ大和田で聞いてきました。音楽会を聴く機会はそれほどないのですが音楽会に行く日は良く「雨天」に当たります。天気と音楽会の思い出として「濡れた傘」をどうしようか困った記憶が多くあります。今日も渋谷駅から会場までは雨脚の強い状況ででした。また埼京線から渋谷駅の会場のある「桜が丘」まで遠いのが困ったものです。将来的に埼京線を北側に移転する計画があるので仕方がないのは分かりますが、渋谷駅南側の埼京線ホームから「桜が丘」方面に出るためには、高速を再び潜るくらいまで北上迂回しなければなりません。
今日の演奏者は「三浦謙司」さんで昨年行われた河合楽器が主催する第一回「Shigeru Kawai」ピアノコンクールの優勝者だそうです。当該コンクールはカワイ楽器のコンサートグランドピアノ「SK-EX」を使用して行われるようで今日のステージ上にもカワイの同型のグランドピアノが置かれていました。
演奏曲目は以下の通りでした。
リスト / コンソレーション 第1番 第2番 第3番 リスト / ピアノソナタ ロ短調
ショパン / マズルカ風ロンド ヘ長調 Op.5 ショパン / 子守歌 変ニ長調 Op.57 ショパン / ピアノソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
アンコール ドビュッシー / 夢 スクリャービン / エチュードOp8−12 ガーシュイン / ラプソディーインブルー
リストとショパンのソナタを並べた重量級のプログラムでした。さすがコンクール優勝者ということで「指」は回るし音楽は大変活気にあふれたものだったと思います。またカワイのピアノを鳴らすことを得意としているように思えました。そのカワイのピアノですが、ペダリングか筐体の理由かわかりませんが、「重音」が多いと「如何にも多くの音が鳴っている」感じに聞こえます。特にリストのソナタでは気になりました。また前半のプログラムでペダルで伸ばした音の最後に消える直前に何カ所か「余分な共鳴音」が聞こえました。何回かこれを聞くと次の同様なパッセージでは今度は大丈夫かと心配になって音楽に没入できませんでした。
以前にショパンコンクールにおける選定ピアノを巡るピアノメーカーの「競争」の番組を見たことがありますが、ショパンコンクールでもそうですがやはり「スタインウェイ」が選ばれている状況は今でもあまり変わらないようです。スタインウェイの華やかで切れ味するどい乾燥した音に慣れた耳には、カワイのグランドは耳慣れない音と聞こえました。
カワイの主催するピアノコンクールは「Shigeru Kawai国際コンクール」だそうですが、日本で新たにピアノコンクールを始めるにあたっては少し残念な感想を持ちました。京セラ稲盛さんの作った「京都賞」では賞の名称にだいぶ工夫されたようですが、コンクールがこれからずっと継続し権威がどんどん高まっていくことを想定すると、コンクールの名称は「音楽家名」とか「地名」とかもっと「一般的」なものにして置くべきだったと思いました。
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