KENの日記
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2017年11月18日(土) ネトレプコの「アイーダ」

ザルツブルク音楽祭2017 歌劇「アイーダ」
<作曲> ヴェルディ

<出 演>
アムネリス:エカテリーナ・セメンチュク
アイーダ:アンナ・ネトレプコ
ラダメス:フランチェスコ・メーリ
ロベルト・タリアヴィーニ(エジプト王)
ディミートリ・ベロセルスキー(ランフィス)
ルカ・サルシ(アモナスロ) 

<合 唱>ウィーン国立歌劇場合唱団
<管弦楽>ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
<指 揮>リッカルド・ムーティ
<演 出>シリン・ネシャット
<収録>収録:2017年8月9・12日 ザルツブルク祝祭大劇場

ネトレプコ発のアイーダということで非常に注目された公演でした。早速NHKプレミアムシアターで放映されたのは非常に有難いことです。ネトレプコとしては「フィガロ」「椿姫」「ラ・ボエーム」「トロバトーレ」に加えて今年のアイーダと5演目見ましたが、今回のアイーダ役が大変安定していて自信に満ちていると感じました。これは夫君「ユシフ・エイヴァゾフ」の再婚が大きク影響しているいのではないかと思います。

同じ日に放送された2016年の「ネトレプコ・エイヴァゾフコンサート」は二人の相性が良いことを示していると思いました。私はエイヴァゾフがネトレプコの父親に似て学究肌(気象学者を目指した)であることがカップルが旨く行っている秘密だと思うのです。その効果かどうか直近のネトレプコは舞台で映える「スリムな体形」に戻りつつあるようです。

さて今回の「アイーダ」ですが非常に見所のある丁寧に作られた舞台だったと思いました。抽象的な舞台装置と何処かで見たことのあるような宗教色の衣装がエジプトの雰囲気を上手に出していて見事だったと思います。舞台上には大きな四角い箱がメインに据えられています。最初の見た時から最終幕の「地下牢」はどうするのか気にはなりました。できれば二つを上下に並べると雰囲気がでるだろうと無理なことを考えてしまいました。

アイーダを中心に「アムネリスとの絡み、アモナスロとの絡み」夫々が心理の動きを上手に表現していて見応えがありました。「ラダメスとの絡み」は目を瞑って聞いているとそれなりに聞こえましたが、映像を見ていると「ラダメスの存在感」に「?」を感じざるを得ませんでした。「ラダメス」はエジプトの英雄であり大群を率いる将軍です。それがせいぜい「尉官」(それも下位の)位にしか見えません。服装・雰囲気はカルメンに翻弄される「ホセ」の雰囲気だと思いました。裁判に臨んで従容として罰に服する「英雄」の姿を想像できませんでした。

アイーダ、アムネリス、アモナスロ始め他の配役がそれなりに役の雰囲気を上手に出していただけに残念でした。アイーダについてそんなことを考えながら「ネトレプコ・ユシフ」のコンサートを見ると「ユシフ」の存在感が目立ちました。堂々とした歌いぶりに気品がありました。




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